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日本ガイシとローム協業、半固体電池+電源を提案へ電池交換不要を目指したボードを開発(1/2 ページ)

日本ガイシとロームは2021年1月20日、電池交換不要のメンテナンスフリー機器実現に向けて協業すると発表した。

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 日本ガイシとロームは2021年1月20日、電池交換不要のメンテナンスフリー機器実現に向けて協業すると発表した。協業第1弾として、「半固体電池」と呼ばれる日本ガイシの独自リチウムイオン二次電池「EnerCera」(エナセラ)と、ロームの低消費電源技術「Nano Energy」(ナノエナジー)応用電源ICを組み合わせた評価用デモボードを開発し、両社の顧客に対し提案活動を実施する。

独自二次電池「EnerCera」と低消費電源技術「Nano Energy」

 両社が協業を通じて狙うのは、IoT(モノのインターネット)機器やウェアラブル機器、RFIDタグなどのアプリケーションで、両社の独自技術を組み合わせて、電池交換不要のソリューションを構築し、普及促進を図ること。「メンテナンスフリー端末を開発する時に、最初に“日本ガイシのEnerCera”と“ロームのNano Energy”を思い浮かべてもらえるようにしたい」(日本ガイシ執行役員エレクトロニクス事業本部ADC事業部長大和田巌氏)とする。


協業のコンセプト (クリックで拡大) 出典:ローム/日本ガイシ

 日本ガイシのEnerCeraは、正極に独自開発した結晶配向セラミックス電極板を使用したリチウムイオン二次電池。正極活物質の結晶の向きをそろえリチウムイオンや電子が移動しやすくした電極板であり、有機バインダーや導電助剤を使わずに耐熱性が高く、高エネルギー密度の二次電池を実現できる特長がある。大和田氏は「電解質は、有機電解液を使用しているため次世代電池として注目を集める固体電池ではない。ただし、有機バインダーや導電助剤を使っていないため、固体電池同様に発火の恐れがない上、固体電解質よりも物性に優れる有機電解液を使うために、高いエネルギー密度を実現できる。こうした特長から、これまでのリチウムイオン二次電池とは一線を画した次世代型電池として“半固体電池”と呼ばれている」と話す。すでに日本ガイシは、厚さ0.45mm以下の超薄型二次電池「EnerCera Pouch」(エナセラ パウチ)や厚さ1〜2mmの薄型コイン二次電池「EnerCera Coin」(エナセラ コイン)を製品化。IoTデバイスなどの用途を中心に採用を増やしてきた。


日本ガイシの独自リチウムイオン二次電池「EnerCera」(エナセラ)の概要 (クリックで拡大) 出典:ローム/日本ガイシ

 ただ「EnerCeraの利点を最大限に引き出すには、電源ICや充電ICなど周辺デバイスとどう組み合わせるかがカギを握る。そのため、EnerCera単体での提案ではなく、周辺デバイスを含めたソリューション提案が重要だと考えている」とする中で、電池周辺デバイスを展開するロームとの協業に至ったという。

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