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TSMCが設備投資を倍増、先端プロセスの開発を強化半導体需要の高まりを受け(1/4 ページ)

TSMCは、今後数年間の堅調な成長を期待して、2021年の設備投資予算を2020年比でほぼ2倍の280億米ドルとした。世界最大のチップファウンドリーであるTSMCは、2021年に設備投資に250億〜280億米ドルを投じることとなる。

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HPCが新たなけん引役に

 TSMCは、今後数年間の堅調な成長を期待して、2021年の設備投資予算を2020年比でほぼ2倍の280億米ドルとした。

 世界最大のチップファウンドリーであるTSMCは、2021年に設備投資に250億〜280億米ドルを投じることとなる。2020年の投資額は172億米ドルだった。2021年の予算のうち、約8割は3nm、5nm、7nmを含む高度なプロセス技術に充てられる。約1割は高度なパッケージング技術とマスク製造技術に、残りの1割は専門技術に割り当てられるようだ。

 TSMCは、この設備投資が複数年にわたるメガトレンドに裏打ちされたより高い成長の機会に向けられていると述べた。2021年以降、高性能コンピューティング(HPC)はさまざまな市場セグメントの大手顧客からの新たな成長ドライバーとなる。TSMCは2021年1月14日(現地時間)のアナリストとのカンファレンスコールで、同社が自信を強めるもう一つの要因として、5nmの需要が予想より強かったことを挙げた。


TSMCのチェアマンを務めるMark Liu氏

 TSMCのチェアマンであるMark Liu氏は「HPCは当社のビジネスの主要な成長ドライバーとなるだろう。現在、同領域ではエキサイティングな変化が起こっている。誰もが異なるアーキテクチャを使って最高のパフォーマンスを得ようと努めている。HPCに参入するプレイヤーの数はさらに増えつつある」と述べた。

 カンファレンスコールに参加したアナリストからは、IntelのTSMCへの製造委託について多くの質問があったが、TSMCはコメントを避けた。

 Wedbush SecuritiesのシニアバイスプレジデントであるMatt Bryson氏は、米国EE Timesに対するコメントの中で「ファウンドリーを取り巻く現状や、5G(第5世代移動通信)コンテンツやスマートフォンの増加、AppleがICの自社開発を続けていること、AMDのシェア増加といったトレンドは、TSMCの生産能力増強を正当化する要素だ。これらは、TSMCが設備投資を増加させた裏付けとなっている。増加された設備投資額の一部は3nm開発に割り当てられるが、これはIntelがメインストリームCPUの製造の一部をTSMCにシフトするという臆測とも合致している」と述べた。

 とはいえ、Bryson氏によると、Intelが近いうちに(特にCEOが変わるこの時期に)そのような決断を下す可能性は低いという。

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