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Vodafone、Open RAN採用の円滑化に向けラボを開設Huawei製品除外対応の一環

Vodafoneは2020年末に、「Open RAN(Radio Access Network)技術の展開の促進に向けて、欧州全土にTest and Integration Laboratories(テストおよび統合ラボ)を設立する」と発表していたが、この公約を実現した。

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 Vodafoneは2020年末に、「Open RAN(Radio Access Network)技術の展開の促進に向けて、欧州全土にTest and Integration Laboratories(テストおよび統合ラボ)を設立する」と発表していたが、この公約を実現した。


英国ニューベリーのVodafoneの拠点 出典:Vodafone

 最初の施設は、Vodafoneグループの英国本社で技術拠点であるニューベリーに開設し、総勢約30人のエンジニアを雇用する計画としている。シームレスな相互運用性の確保に向け、幅広いパートナーやサプライヤーを開拓し連携していく考えだという。

 Vodafoneは、同技術の展開に先駆けてOpen RANの課題に取り組むべく、欧州に数カ所のラボの開設を計画しており、ニューベリーセンターはその第1号となる。同社は、Open RANの利用促進に欧州で最も熱心に取り組んでいる事業者の一つである。2021年に入ってからは、ドイツのDeutsche TelekomとフランスのOrange、スペインのTelefonicaとの間で、Open RANの普及に向けた取り組みを共同で進める契約を結んでいる。

 Vodafone UKの最高ネットワーク責任者(CNO:Chief Network Officer)を務めるAndrea Dona氏は、Open RANの研究開発に焦点を当てた英国初の施設について、「Open RANのエコシステムはまだ初期段階にあり、当社はその発展を促進したいと考えている。通信事業者は完璧な製品の購入を待つだけなのに対し、Open RANベンダーは製品を完成させるために投資しなければならないという理不尽な状況を回避したい」と述べている。

 同氏はさらに、「Open RANは、イノベーションや競争、二酸化炭素の削減など、意義のあるメリットを約束する技術だが、エコシステムをサポートして初めてこれらのメリットを提供することができる」と述べている。

 Vodafoneは基本的に、パートナーと協力して、同技術を既存のネットワークに統合する最善の策を模索したいと考えている。つまり、同技術の成功は、このオープンなエコシステムを他の事業者と協力してサポートする取り組みにかかっていると確信している。

 同社はまた、「ラボでの研究やそれに続くその他の作業は、相互運用性のテストに限定することなく、サプライヤーが提供する機器やソフトウェアが商用的に採算の取れるものであることの確認も行う」と強調している。

Huawei製品除外対応の一環

 Vodafoneは、英国政府からのHuawei製品排除の要請を受けて、2022〜2027年の間に同製品を交換する方針を示しているが、この対応の一環として2500カ所のOpen RAN施設を開設する計画を2020年10月に発表した。その大部分は英国の農村部に開設予定だという。現在のところ、同社はこの技術の使用を名言している唯一の通信事業者である。

 同社の発表は、英国政府が最近設立した「Telecoms Diversification Taskforce(通信の多様化タスクフォース)」がOpen RANの事業機会に関する初期評価を発表した数日後のことだった。同タスクフォースは、2020年代半ばまでに、全ての通信事業者が使用する5G機器の25%を、新規サプライヤー、またはオープンアーキテクチャや仕様に完全に準拠した技術を提供できる既存サプライヤーから調達することを義務付けている。なお、ここでいう「オープンアーキテクチャや仕様に完全に準拠した技術」というのは、無線インフラのオープン化を提唱する主要な業界団体であるO-RAN Allianceが開発、推進している仕様を指す。

 Open RAN技術のパイオニアの1社であるMavenirは、米国で最も影響力のあるコングロマリットの一つであるKoch Industries(コーク・インダストリーズ)が、Mavenirに5億米ドル投資したことを発表した。この投資は、Koch Strategic Platforms(KSP)ファンドを通じたものだが、これによってKSPが取得するMavenirの株式の割合については明らかにされていない。今回の投資は、Koch Industriesが通信分野で行うものとしては、これまでで最大規模のものだという。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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