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韓国、半導体への投資を加速SK hynixも生産能力増強を発表(1/2 ページ)

韓国の報道によれば、SK hynixが、ファウンドリー事業用の生産能力を2倍に拡大する予定だという。同社はプレスリリースで、「実行可能な計画によって、ファウンドリーの生産能力を2倍に増強すべく検討しているところだ」としている。

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ファウンドリーの生産能力増強を発表したSK hynix

 韓国の報道によれば、SK hynixが、ファウンドリー事業用の生産能力を2倍に拡大する予定だという。同社はプレスリリースで、「実行可能な計画によって、ファウンドリー事業用の生産能力を2倍に増強すべく検討しているところだ」としている。

 この計画の生産能力は、最先端プロセス技術に関連するものではないため、TSMCが最先端プロセス技術を適用する新しいウエハーファウンドリーに1000億米ドルを投じることを発表した時のような華やかさには欠けるかもしれない。また、米国が国内の半導体製造を推進する取り組みの一環として行われる投資でもないため、それほど高い関心は集まらないだろう。さらに、最初の段階から完全な投資を行う場合と比べると、重要度が少し低く見られるかもしれない。

 2倍の能力拡大を実現することは、その当事者にとっては素晴らしい成果だといえるが、ある程度の見通しは必要だ。SK hynixによると、同社の売上高全体のうち、全てのファウンドリーと非メモリ半導体事業が占める割合は2%だという。全体から見ればごくわずかだが、限られた短い期間に特殊な製品に対して何らかの影響を及ぼす可能性がある。

 SK hynixは、子会社であるSK hynix System ICを介して、比較的小規模なファウンドリー事業を展開しており、中国と韓国に工場を保有している。同社の技術ポートフォリオには、MEMSや組み込みフラッシュロジック、CMOSイメージセンサーなどがあるが、中でも重要なのが高電圧CMOSとBCMDMOSである。

 これらの事業の規模については、SK hynixのWebサイトの会社概要に半導体ファウンドリー事業に関する記述がないことからも分かるだろう。ただし、“etc.”と書かれている部分については例外かもしれない。Webサイトを見ると、同社が2004年に非メモリ事業をスピンアウトしてMagnaChipを設立したことが思い出される。


SK hynixは子会社のSK hynix System ICを通じて、上記プロセスノードのファウンドリー事業を行っている 出典:SK hynix System IC

 米国EE Timesの記事によると、MagnaChipは2020年に、同社のファウンドリー事業を、SK hynixをLP(リミテッドパートナー)とする特別目的会社に売却している。そして、新しい専業ファウンドリー企業Key Foundryとして操業を開始した。組み込みフラッシュBCDMOSプラットフォームなどによって、特に車載エレクトロニクス分野に向けてチップを製造している。Key Foundryは最近、同社の第2世代0.13μmプロセスをベースとした車載向け製品(まずは通行料金用トランスポンダー)の出荷を開始したと発表した。


MagnaChipは、半導体製造関連の事業を売却。同事業はKey Foundryとして事業を開始している 出典:Key Foundry

 SK hynixは、何とかしてファウンドリー事業を拡大しようとしているようだが、短中期的に見て、現在の企業構造の中で新しい工場を建設するという可能性はなさそうだ。今回の同社の発表は、バイスチェアマンであるPark Jung-ho氏がかつて、設備の拡充と合併買収の両方について検討していることを示唆したことに起因するとみられる。

 SK hynixでは、非メモリウエハー生産に関してかなり波があるようだ。今になって、再び急いで元に戻ろうとしている。今回も、かなりの規模の拡大を発表したように見えるが、IntelやSamsung Electronics(以下、Samsung)、TSMCなどの取り組みと比べると、その規模には到底及ばない。

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