クラウドベースの車載ソフト開発を加速する「SOAFEE」:Armの新しい取り組み(1/4 ページ)
Armは2021年9月15日(現地時間)、ソフトウェアフレームワークプロジェクト「SOAFEE(Scalable Open Architecture For Embedded Edge)」を発表した。この取り組みには他の企業も参加しており、今後もさらに多くの企業が参加する予定だという。Armは、SOAFEEを「リアルタイムに動作し、安全性に配慮したオープンなソフトウェアアーキテクチャおよびリファレンスソフトウェア実装」と定義している。
Armは2021年9月15日(現地時間)、ソフトウェアフレームワークプロジェクト「SOAFEE(Scalable Open Architecture For Embedded Edge/ソフィー)」を発表した。この取り組みには他の企業も参加しており、今後もさらに多くの企業が参加する予定だという。Armは、SOAFEEを「リアルタイムに動作し、安全性に配慮したオープンなソフトウェアアーキテクチャおよびリファレンスソフトウェア実装」と定義している。
このソフトウェアアーキテクチャは、クラウド技術を自動車の機能安全およびリアルタイム要件と組み合わせることを可能にする。SOAFEEのプロトタイプと初期開発は、進行中だという。
これはArmの素晴らしい一手であり、成功する可能性が高い。SOAFEEは、関連技術やエコシステムと併せてクラウドプラットフォームを利用するなど、車載ソフトウェア開発における多くの成長トレンドを活用している。SOAFEEは、SaaS(Software-as-a-Service)に対する車載需要の高まりからも恩恵を受けられる状況にある。
「SOAFEE」の概要
このオープンソースのリファレンスプロジェクトは、クラウドソフトウェア開発向けのソフトウェアフレームワークで、組み込み車載コードとして展開される。
SOAFEEは、クラウドネイティブ開発のメリットを生かして、機能安全やリアルタイム制御などの自動車の複雑な課題や制約を解決することを目指している。クラウドネイティブは、生産から車両寿命までの車載ソフトウェアの開発や展開、更新を向上させる多くの技術やワークフロー、設計戦略を網羅している。
SOAFEEは、Armのかつての2つの取り組みである「Project Cassini」と「Arm SystemReady」も活用している。Project Cassiniは、Armのエッジエコシステム全体にクラウドネイティブソフトウェアを提供するためのオープンで協調的な標準ベースのイニシアチブである。Armベースの多様なプラットフォームを活用して、エッジアプリケーションの安全な基盤を構築する。
SystemReadyは、一連のハードウェアおよびファームウェア規格をベースにしたコンプライアンス認証プログラムである。市場固有の補足事項のほか、「Base System Architecture」と「Base Boot Requirements」の仕様が含まれている。
現時点では、SOAFEEの特別利益団体が立ち上げられているが、Webサイトはない。既にSOAFEEをサポートしている20社がSpecial Interest Group(SIG)メンバーとなっており、さらに多くの企業が参加する予定である。
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