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永守氏が日本電産CEOに復帰、業績「満足できるものではない」売り上げ、利益過去最高も(1/2 ページ)

日本電産は2022年4月21日、2022年3月期(2021年度)通期連結決算の説明会を開催した。売上高は前年比18.5%増の1兆9182億円、営業利益は同7.2%増の1715億円、純利益は同12.2%増の1369億円でいずれも過去最高を更新した。同社は、同日付で会長の永守重信氏がCEO(最高経営責任者)に復帰するとも発表。永守氏は、現在の株価や業績について「満足できるものではない」と語った。

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 日本電産は2022年4月21日、2022年3月期(2021年度)通期連結決算の説明会を開催した。売上高は前年比18.5%増の1兆9182億円、営業利益は同7.2%増の1715億円、純利益は同12.2%増の1369億円でいずれも過去最高を更新した。

 同社は、同日付で会長の永守重信氏がCEO(最高経営責任者)に復帰するとも発表。永守氏は、現在の株価や業績について「満足できるものではない」と語った。

車載製品セグメント、4Qは営業赤字


日本電産の会長兼CEO(最高経営責任者)、永守重信氏 出所:日本電産の決算説明会からキャプチャー

 同社の売上高は、家電向けコンプレッサーや空調機器向けモーター、欧米での搬送用ロボット向けモーターおよびギアの増収に加え、2021年度に参入した工作機械事業を含む機器装置製品の販売好調によって前期比18.5%増収の1兆9182億円と過去最高を更新。営業利益も、家電、商業、産業用製品の増収を主因として、前期比7.2%増益で過去最高を更新した。


日本電産の2021年度通期連結決算業績[クリックで拡大] 出所:日本電産

 前年からの増減分析では精密小型モーターが、顧客における半導体不足の影響や2021年夏の東南アジアおよび2021年度末の中国のロックダウンの影響を大きく受け、前年比472億円減となったが、その他セグメントはいずれも前年を上回っている。営業利益では車載製品セグメントも同83億円減となったが、この点については、「トラクションモーターの旺盛な将来需要に対応した開発費がかさんだ」などと説明している。

 四半期別にみると、2021年度第4四半期は顧客における半導体不足や、世界的な原材料価格の高騰の影響などが大きく、車載製品セグメントは1億5400万円の営業赤字となった。同社は、「2022年度は売価反映、原価低減を推進し需要回復に備える」としている。

左=2021年度通期の前年度増減分析/右=車載製品セグメントの四半期別業績推移[クリックで拡大] 出所:日本電産

「速い決断と対処で、逆風に対応」CEO復帰の永守氏

 今回のCEOへの復帰理由について永守氏は、「現在世界の状況は逆風でいろいろな経済/政治問題が出ており、非常に速い決断と対処が必要な段階に来ている。創業者として全てを知り尽くしている私が、短期的に指揮を執り、業績と株価を改善する」と説明した。なお、2022年度の業績予想は、売上高2兆1000億円、営業利益2100億円としている。

 2021年6月から同社CEOを務めていた社長の関潤氏は、最高執行責任者(COO)となるほか、今後、車載事業本部長にも就任。同社が注力する電気自動車(EV)駆動用トラクションモーターシステム「E-Axle」事業の早期黒字化に専念していく方針だ。永守氏は、「だいたい(関社長の)実力は分かった。あと3年程経ったら独り立ちしてもらい、もう一度CEOに戻ってもらうことを期待している」と述べていた。

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