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不安定な時代だからこそ進化は進む! 「Echo Show 15」「iPhone SE3」を分解この10年で起こったこと、次の10年で起こること(63)(2/3 ページ)

半導体不足や政界情勢の不安定な中にあっても新製品ラッシュは続いている。今回は、Amazonの「Echo Show 15」とAppleの「iPhone SE3」を分解、解析する。

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「Echo Show 15」の中身

 Amazonは2021年モデルから、自社専用のカスタムプロセッサ「AZ」をEchoシリーズに活用している。2022年のEcho Show 15では第2世代のAZプロセッサ「AZ2」が採用されている。AZ2のパッケージにはAMLOGICの社名ロゴと「POP1-C」というチップ型名が刻印されており、AmazonとAMLOGICが共同で開発したものであることが判明した。

 また組み合わされる電源ICは日本のローム製であることも判明した。ロームは多くのプロセッサ(Intel製など)の電源ICに採用された実績を持つメーカーなので、順当な組み合わせだと思われる。AMLOGICはテレビボックスなどのメディアプレーヤーで多大な実績を持つ半導体メーカーだ。Amazon製品としては2019年の「Fire TV Cube」にもプロセッサとして採用されている。いきなりAmazonに採用されたわけではなく、多くの市場実績や、Amazonでの実績を持っているからこそ、AZ2の開発メーカーに抜擢(ばってき)されたわけである。

 表1は、2021年発売の首振りタイプのEcho Show 10と2022年発売の壁掛けタイプのEcho Show 15に搭載されている主要チップの比較である。おおむね同機能のチップで構成されているが、内部のチップ点数が減り、Wi-Fiチップ以外は総入れ替えとなっている。Echo Show 10では台湾MediaTekのチップセット(プロセッサと電源IC)であったが、上記のようにAMLOGIC、ロームの組み合わせに変更されている。また2チップ構成であったプロセッサ部が1チップとなっている。


表1:「Echo Show 10」とEcho Show 15の搭載チップの比較[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

「AZ2」プロセッサを開封

 図3は、AZ2(=AMLOGIC POP1-C)のチップ開封の様子である。弊社ではAmazon以外に使われるAMLOGIC製チップのほとんどを開封して解析している。そのため、それらとAZ2の画像を比較し、他チップで公開されている仕様などと合わせて、AZ2の内部構造をおおよそ解析することができている。


図3:Amazon「AZ2」プロセッサの開封解析[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 MIPIやUSBのインタフェースは形状で判断できるので、接続関係などもほぼ解析できている。田の字型の場所が2カ所あり、4コアの高速CPU、4コアの高効率CPUが搭載されていることが分かる。またINT8のNPU(Neural Processing Unit)がAMLOGICの別チップで使われているのでNPUの場所も特定できている。CPU、GPU、NPU、ISP(カメラ用プロセッサ)が搭載されるAmazon Echoの性能を最大化するプロセッサになっているわけだ。

 AZ2は、2世代ほど前の12nmプロセスノードで製造されている。ゲームなどの高度な3D(3次元)用途に使うわけではない、スマートディスプレイ専用なので、12nmでも十分なのである。今後もAmazonのホームIoT製品の進化を継続して解析していきたい。

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