村田製の22年Q1決算、スマホ減速で減益に:通期見通しは据え置き
村田製作所は2022年7月28日、2023年3月期(2022年度)第1四半期の決算報告を行った。売上高は、前年同期比0.7%減の4367億円、営業利益は同15.7%減となる886億円だった。
村田製作所は2022年7月28日、2023年3月期(2022年度)第1四半期の決算報告を行った。売上高は、前年同期比0.7%減の4367億円、営業利益は同15.7%減となる886億円だった。
売上高は円安の影響で押し上げられ、モビリティ向けの積層セラミックコンデンサーの売り上げは好調だったが、中国のロックダウンやスマートフォンの販売低迷の影響で、スマートフォン向けの表面波フィルターや高周波モジュールで減少したため、前年同期比でほぼ横ばいとなった。
営業利益については、為替変動や合理化効果など増益要因はあったものの、固定費の増加や材料価格の高騰などの影響により、前年度比で減益となった。
受注高は、前四半期で減少。同社代表取締役会長の村田恒夫氏は「昨年(2021年)は中華圏スマホの旺盛な需要があったが、今年度は中国のロックダウンの影響などでPCやスマホの生産台数が減少したこともあり、前年同期比で受注の減少が見られた」と説明した。具体的には、スマホ向けで表面波フィルターやコンデンサー、高周波モジュールが、PC/サーバ向けでコンデンサー、インダクター、EMI除去フィルターが減少した。
事業別セグメントの売上高は、「コンデンサ」が前年同期比6.4%増の2021億円と好調。「高周波・通信」については、中国のロックダウンの影響で同15.5%減の1084億円となった。「エナジー・パワー」では、リチウムイオン二次電池がパワーツール向けで増加し、同20.3%増となる513億円となった。「機能デバイス」については、センサーがモビリティやPC向けで減少し、同7.0%減の248億円だった。
2023年3月期の連結業績予想については、変更せずに見通しを据え置いた。村田氏は「4月当初から市場環境に変化は見られるものの、為替レートの状況を踏まえると、売上高および利益の見通しに大きな変動はなく、見直しは行っていない」と述べたものの、「一方で為替相場は不安定な状況が続いており、世界経済の景気減速も懸念されることから、先行きは不透明な状況だ。今後の市場環境によっては、業績予想の前提が大きく変わる可能性もある」との見解も示した。
村田氏は「足元ではスマホやPC市場で減速感が見られ、短期的には厳しい事業環境が予想される。ただし、通信やモビリティの中長期的な成長見通しに変化はない。繁忙感が落ち着いたこの時期に、中期経営課題に取り組むことで、競争優位性を強化し、市場回復の局面でさらなる飛躍を目指す」と語った。
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