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米国の新半導体規制「中国やグローバル企業に大打撃」複数アナリストの分析を聞く(2/4 ページ)

複数のアナリストが米国EE Timesに語ったところによると、中国に対する半導体戦争における米国の最新の一撃は、中国国内の半導体メーカーを何世代にもわたって後退させ、半導体および製造装置のグローバルサプライヤーは、中国からの需要の大幅な減少によって何十億米ドルもの売上損失を被ることになるという。

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予測されるグローバルメーカーの損失

 また、EE Timesがインタビューしたアナリストたちも、「世界の半導体および、製造装置のサプライヤーは、中国の需要が大きく落ち込むことで、数十億米ドル規模の売上高損失を被ることになるだろう」と予測する。既に、このような予測を信用するに値するさまざまな事象が発生している。例えば、装置メーカーであるApplied Materialsは2022年10月、報道機関に向けて、同年第4四半期の売上高予測を4億米ドルほど下方修正したと発表した。同社はその主な要因として、規制措置を挙げたという。

 Hosseini氏は、「SIGの予測では、米国の半導体制裁措置によって生じるウエハー工場用装置の売上損失額は、80億米ドル規模に達する見込みだ。これは、2022〜2025年のウエハー工場用装置の1年間当たりの平均売上高予測の8%に相当する。また、スパコンの分野では、GPU製造の主要パートナーであるTSMCが、約10%の損失を被る可能性がある」と述べている。

 同氏は、「米国は、自国の人材が中国の半導体業界において無許可で働くことも禁止している。この禁止措置により、中国向け製品/サービスの売り上げが失われるため、世界半導体業界では今後3年間で、約100億米ドルの損失が発生することになるだろう」と付け加えた。

米国/欧州の一部企業への“集中砲火”に

 Triolo氏は、「米国の半導体制裁措置は、YMTC(Yangtze Memory Technologies Corporation)や、CXMT(ChangXin Memory Technologies)、SMICなどの中国半導体メーカーに重大な影響を及ぼすとみられる。一方で、ASMLやApplied Materials、Lam Research、KLAなどの欧米の半導体製造装置メーカーは、大きな被害を受けることになるだろう」と述べる。

 「ASMLも大きな損失を被ることになるだろうが、同社は2022年10月に、『当社には、TSMCやSamsung、Intelなどの顧客企業の受注残が多くあるため、損失は少ないはずだ』と主張している」(Triolo氏)

 最先端半導体を製造するためのEUVリソグラフィツールの業界唯一のサプライヤーであるオランダのASMLは、潜在的損失の規模に関する予測を発表していない。しかし同社の代表は、2022年10月の四半期業績発表の後に続いて開かれた、アナリストやジャーナリストに向けたカンファレンスコールの中で、「中国に向けた最先端のDUV(深紫外)装置の輸出は、引き続き減少していく見込みだ」と述べている。

 ASMLのCFO(最高財務責任者)を務めるRoger Dassen氏は業績発表の場で、「当社は欧州メーカーであり、限られた米国技術しか適用していないため、現在のところ直接的な影響はかなり限定的だ。当社としては引き続き、欧州から中国に非EUVリソグラフィ装置を出荷することができる」と述べる。

 Dassen氏は、「ASMLは現在も、まだ世界需要に対応できていない。もしASMLが、特定の装置を中国国内の特定の顧客企業に供給できなくなったとしても、中国以外の国からの需要によって潜在的な減収は相殺される」と付け加えていた。

 米国は、中国に対する制裁措置によって生じる短期的な経済的影響を、最近可決されたCHIPS法(正式名称:CHIPS and Science Act)で相殺したい考えだ。CHIPS法には、520億米ドル規模の投資刺激策パッケージが含まれる。

 Triolo氏は、「欧州でも、新しい法案やよく似た法律などによって、中国以外の国でファウンドリーを建設するための資金を提供したり、米国の半導体制裁措置による打撃を和らげたりすることなどは可能だ。しかし刺激策は、中国市場での重大な損失を置き換えることはできない。このため、GPUメーカーや大手半導体製造機器メーカーなど、何社かの米国技術リーダーたちが、数十億米ドル規模の打撃を受ける可能性がある」と述べる。

 Triolo氏によると、米国カリフォルニア州に拠点を置くLam Researchは2022年10月に、「当社の2023年の中国国内の売上高損失は、約25億米ドルに達する見込みだ」との予測を発表したという。

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