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光学式に匹敵する精度/速度の誘導型回転位置センサー、onsemielectronica 2022(1/3 ページ)

onsemiは、ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州最大規模のエレクトロニクス展示会「electronica 2022」(2022年11月15〜18日)において、光学式エンコーダーに匹敵する精度や速度を実現したデュアル誘導型回転位置センサー「NCS32100」などを発表、デモの展示を行った。

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 onsemiは、ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州最大規模のエレクトロニクス展示会「electronica 2022」(2022年11月15〜18日)において、光学式エンコーダーに匹敵する精度や速度を実現したデュアル誘導型回転位置センサー「NCS32100」などを発表、デモの展示を行った。

6000rpmで±50秒角の高性能、20年以上のノウハウで実現

 誘導型エンコーダーは、さまざまな汚染や干渉に対して感度が低いほか、機械的振動の影響を受けにくく、一次温度依存性もないなど、産業用アプリケーションに適した特性を持つが、従来、高精度が不要で低回転速度で動作するユースケースに限定され用いられてきた。onsemiは今回、同社が20年以上にわたり培ってきた誘導型センサーの設計に関する専門知識を生かすことで、一般的にミドルエンドからハイエンドの光学式エンコーダーが持つ精度や速度を実現したとしている。具体的には、38mmセンサーを使用した同デバイスは、6000rpmで±50秒角の精度を実現、さらに精度を下げれば、10万rpmまでの速度に対応できるという。


NCS32100のデモの様子[クリックで拡大]

 下図はNCS32100を用いたセンサーソリューションに用いるPCB(プリント基板)で、ローターと、NSC32100を取り付けるステーターの2つで構成。ステーターPCBは2組のパターンコイルを備えた2重誘導コイル設計で、ローターPCBには対応するパターンが描かれている。この2つを向かい合わせてシャフトに取り付け、ローターPCBがアプリケーションに合わせて回転することで生じる相互インダクタンスの変化を電流の変化として捉え、センシングする。

画像内の右がローターPCBで左がステーターPCB。ステーターPCBはセンサーコイルの面(左写真)の裏側にNCS32100などを取り付ける[クリックで拡大]

 NCS32100は、不揮発性フラッシュメモリ(NVM)やホストプロセッサとの通信用として構成可能なインタフェースも備えるArmの「Cortex-M0+」コアやA-Dコンバーター、DSPなどを内蔵。説明担当者は、「アナログフロントエンドから全ての後処理を行って位置や速度を送信できる」と説明していた。

 NCS32100は集積度が高く、設計時間と必要な外付け部品点数の大幅な削減と、市場投入までの時間短縮を実現、よりコンパクトで効率的な設計が可能になるという。説明担当者は、「このソリューションはNSC32100やドライバー、いくつかの受動部品の計十数個の部品点数で構成できる。同程度の精度の光学式ソリューションの場合、100個以上が必要であることから、非常に魅力的なソリューションになる。光学式と比べ3分の2のコスト削減になると答えた顧客もいる」などと語っていた。

 NCS32100は既に提供を開始しており、主にロボティクスや協働ロボットなどの産業用途で展開している。また、レファレンスデザインや評価ボードも用意している。

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