Gartner、2023年の技術トレンドのトップ10を予想:「サステナビリティ・バイ・デフォルト」(1/2 ページ)
米国の調査会社Gartnerの日本法人ガートナージャパンは2022年11月、2023年に企業や組織に重要なインパクトを持つ戦略的技術トレンドのトップ10を発表した。
米国の調査会社Gartnerの日本法人ガートナージャパン(以下、ガートナー)は2022年11月、2023年に企業や組織に重要なインパクトを持つ戦略的技術トレンドのトップ10を発表した。
ガートナーのバイスプレジデント兼アナリストを務める池田武史氏は「Gartnerの2023年の戦略的テクノロジーのトレンドの中心テーマは『最適化』『拡張』『開拓』の3つだ」とし、「加えて、2023年は『持続可能性』という大きなテーマを踏まえた戦略が求められる。今後の技術投資では、常に未来の世代を念頭に置きながら、投資によるプラスの効果と環境負荷を相殺できる『サステナビリティ・バイ・デフォルト』である必要性が増している」と述べた。
DXのコストを削減する「最適化」
ガートナーはDX(デジタル・トランスフォーメーション)のコストを削減する3つの技術として「デジタル免疫システム」「オブザーバビリティ(可観測性)の応用」「AI TRiSM」を取り上げた。
デジタル免疫システムとは、可観測性や自動修復、サプライチェーンセキュリティなど複数のシステムを組み合わせることで、システムのレジリエンス(回復力)を最適化するものだ。ガートナーは「2025年までにデジタル免疫システムに投資する組織では、有事の際のダウンタイムを最大80%削減し、直接的に売り上げを拡大させる」と予測している。
オブザーバビリティの応用とは、今日のデジタル社会において収集されたデータを元に業務プロセスや作業を最適化し、組織の意思決定を加速させることだ。データを戦略的に用いることで、企業はデータ・ドリブンな意思決定を迅速に行い、競争優位を獲得することができるとする。
AI TRiSM(Trust Risk and Security Management)とは、AI(人工知能)の信頼性/リスク/セキュリティ管理を意味する。ガートナーが2022年8月に公開した調査では「41%の組織が過去にAIのプライバシー侵害やセキュリティ・インシデントを経験したことがある。一方、AI TRiSMを積極的に管理している組織では、積極的に管理していない組織と比べ、より多くのAIプロジェクトを概念実証から実稼働に移行し、より多くのビジネス価値を達成している」という。
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