「本当に使える量子コンピュータ」を目指す、Fixstars Amplify:計算実行回数は累計1300万回に(1/2 ページ)
量子コンピューティングプラットフォームを手掛けるFixstars Amplifyは2022年12月19日、記者説明会を開催し、同社の事業概要や技術の採用事例を説明した。
量子コンピューティングプラットフォームを手掛けるFixstars Amplifyは2022年12月19日、記者説明会を開催し、同社の事業概要や技術の採用事例を説明した。
Fixstars Amplifyは、コンピュータの性能を引き出す高速化技術を手掛けるフィックスターズのグループ会社として2021年10月に設立された企業で、クラウド経由で利用できる量子コンピュータサービス「Fixstars Amplify」を提供している。
フィックスターズは2017年から量子コンピュータ関連技術を手掛けてきた。同年に、日本企業として初めてカナダD-Wave Systemと提携し、以降、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の量子関連プロジェクトへの参画や、クラウドサービス「Fixstars Amplify」の提供など、量子関連事業の拡大を進めている。そうした中で、よりクラウドサービスを提供しやすい環境を整えるべく、Fixstars Amplifyがグループ会社として設立されたという背景がある。
Fixstars Amplifyの中核製品となるのは、クラウドサービス「Fixstars Amplify」だ。同サービスは、イジングマシン向けのSDK(ソフトウェア開発キット)である「Amplify SDK」と実行環境で構成されている。
Amplify SDKは、通常のプログラミングでは開発者自身が行う必要がある「論理モデルへの変換」「物理モデルへの変換」「各マシンへのデータ入力」というステップを自動化するソリューションである。Fixstars Amplifyの社長 CEO(最高経営責任者)を務める平岡卓爾氏は「使用していたマシンが古くなり、他のマシンに置き換えたい場合も、プログラムを変更する必要がないというメリットもある」と説明する。
なおFixstars Amplifyは、GPUベースのアニーリングマシン「Fixstars Amplify Annealing Machine(AE)」も提供している。最大ビット数が26万以上で、「“世界最高クラス”と言える性能を十分備えているのではないか」と平岡氏は述べる。
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