「6G」を形作る4つの主要技術、キーサイトが解説:2030年の実用化を想定(1/2 ページ)
キーサイト・テクノロジー(以下、キーサイト)は2023年1月13日、6G(第6世代移動通信)実現に向けての展望とキーサイトの取り組みに関する記者説明会を実施した。
キーサイト・テクノロジー(以下、キーサイト)は2023年1月13日、同社の6G(第6世代移動通信)プログラムマネージャーのRoger Nichols氏が登壇し、6G実現に向けての展望とキーサイトの取り組みに関する記者説明会を実施した。
Roger氏は「6Gの発展には単に柔軟性が高いだけでなく複数の事象に同時に対応できるような『プログラマブル』な環境が必要で、そのためにはML(機械学習)をはじめAI(人工知能)の活用が欠かせない。世界各国で6Gの技術開発およびビジネスモデルの研究が進んでおり、各国政府も支援に前向きな姿勢だと感じている」と述べた。
6Gの開発スケジュールについては、5Gと同様に開発期間を約10年と見積もって2030年ごろの商用利用開始を想定している。また、3GPPを中心とした規格「リリース21」の策定は2025年ごろを目指している。直近のショーケースイベント(お披露目会)としては、2025年に日本で開催される大阪万博や、2028年にロサンゼルス(米国)で開催される夏季オリンピックがあり、実装可能な6G規格の一つが公開されると予測している。
「6G」を形作る4つの主要技術
次に、キーサイトが考える6Gを形作る主要技術として「新たなスペクトル技術」「AI/ML」「デジタルツイン」「新たなネットワーク」の4つを紹介した。
7G〜24GHz帯を中心に、サブテラヘルツもカバー
6Gは移動体通信のため新たなスペクトル帯での通信技術が求められる。スペクトル帯は世代が上がるごとに、既存のスペクトル帯に加えて新たなスペクトル帯が割り当てられ、4Gでは3GHz、5Gでは3.5G〜4.9GHz、6GHz、71GHzのところまでカバーされてきた。6Gのスペクトル帯についてRoger氏は「(6Gのスペクトル帯は)まだ政府から割り当てられていないため正確な数値は分からないものの、7G〜24GHz帯を中心に、『サブテラヘルツ』と呼ばれる100GHz以上、恐らく300GHzまでのスペクトル帯が追加されるといわれている」と述べ、xG(第X世代移動通信)の発展に伴い重要となる既存スペクトル帯の有効利用については「インバウンドのフルデュプレックスや、新しいMIMO(Multi Input Multi Output)のバージョンなどさまざまな技術が研究されている」と説明した。
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