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5G通信ネットワークと手術支援ロボットが遠隔手術を実現へ:福田昭のデバイス通信(384) 2022年度版実装技術ロードマップ(8)(1/2 ページ)
今回は、「(4)医療分野における5G活用状況」部分の概要を解説する。
5G通信がもたらす「遠隔医療」の世界
電子情報技術産業協会(JEITA)が3年ぶりに実装技術ロードマップを更新し、「2022年度版 実装ロードマップ」(書籍)を2022年7月に発行した。本コラムではロードマップの策定を担当したJEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会の協力を得て、ロードマップの概要を第377回からシリーズで紹介している。
前々回から、第2章「注目される市場と電子機器群」の第3節(2.3)「ヒューマンサイエンス」より第2項(2.3.2)「メディカル」の概要を報告している。「メディカル」は4つの項目、すなわち「手術支援ロボット」(2.3.2.1)、「マイクロ流体デバイス」(2.3.2.2)、「感染症とPCR検査、遺伝子検査、迅速検査」(2.3.2.3)、「バイオセンサ」(2.3.2.4)で構成される。
第2章第3節第2項(2.3.2)「メディカル」の目次。「2022年度版 実装技術ロードマップ」の書籍本体から筆者が作成したもの。最初の項目「手術支援ロボット」(2.3.2.1)は詳しい目次を掲載した。なお下線部は、完成報告会(2022年7月7日開催)の講演で取り上げた部分を指す[クリックで拡大]
前回は、「手術支援ロボット」(2.3.2.1)から「(2)手術支援ロボットの動向」部分の概要を説明した。特に、国産初の手術支援ロボット「hinotori サージカルロボットシステム」の動向を述べた。今回は、「(4)医療分野における5G活用状況」部分の概要を解説する。
第5世代(5G)移動体通信システムは、高速、大容量、低遅延、高セキュリティといった特長を有する。遠隔地の医療現場や患者と熟練の医者を5G通信ネットワークで結び付けることで、診断や治療などを支援する「遠隔医療」の実現が期待されている。
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