ルネサス、23年度2Q業績は予想比上振れ:前四半期比で増収増益(1/3 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは2023年7月27日、2023年12月期(2023年度)第2四半期(4〜6月)業績(Non GAAPベース)を発表した。売上高は3687億円(前年同期比2.2%減)、営業利益は1291億円(同163億円減)、営業利益率は35.0%(同3.5ポイント減)、当期純利益は1190億円(同376億円増)となった。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2023年7月27日、2023年12月期(2023年度)第2四半期(4〜6月)業績(Non GAAPベース)を発表した。売上高は3687億円(前年同期比2.2%減)、営業利益は1291億円(同163億円減)、営業利益率は35.0%(同3.5ポイント減)、当期純利益は1190億円(同376億円増)となった。なお、為替影響を除いた純利益は1082億円(同123億円減)としている。
2023年度第2四半期業績を前四半期比でみると、売上高は2.5%増、営業利益は43億円増、営業利益率は0.3ポイント増、当期純利益も115億円増(為替影響を除いた場合13億円増)といずれも増加している。
第2四半期の業績を詳しく見ると、売上高は予想比で2.4%増となっている。この上振れ要因の半分強が為替の好影響だという。その他の要因としては、インフラ向けのタイミングデバイスを中心に、予想比で増加したことを挙げている。売り上げ総利益率は、生産回収減があったものの、タイミングデバイスの好調が製品ミックスを押し上げたほか、生産減による費用減や、在庫の評価減が想定より少なかったことが要因で予想比1.9ポイント増となった。営業費用も予想比で減少し、結果、営業利益率は予想比3.0ポイント増で着地した。
3Q以降も「不透明な状況続く」
同社は、2023年度第3四半期の業績予想も発表した。売上高は前年同期比4.5%減(為替影響を除いた場合、同5.4%減)、前四半期比0.3%増の3700億円(±75億円)、売り上げ総利益率は、前年同期比0.5ポイント減、前四半期比では0.9ポイント減の56.5%、営業利益率は前年同期比4.3ポイント減、前四半期比2.5ポイント減の32.5%と予想している。
売り上げ総利益率については、製品ミックス悪化および製造費用増によって、前四半期比から低下する見込みだ。製品ミックス悪化の要因についてルネサスは、予想を上回り好調だった第2四半期からの反動減および、売り上げ総利益率の低いコンシューマー向けが季節性で増加するためだと説明している。また、製造費用増については、償却費増や工場の電気代増加、甲府工場の立ち上げ費用などを見込んでいる。
営業利益率の減少は、R&D(研究開発)投資の増加による影響が中心。ルネサスは下半期にR&D投資を増加する予定で、「主に自動車向けのIGBTやSiC(炭化ケイ素)パワー半導体および、次世代SoC(System on Chip)などの開発に充当する」と述べていた。
ルネサスの社長兼CEO(最高経営責任者)の柴田英利氏は、2023年第2四半期の業績について「ほぼ想定通りだった」とした一方、2023年度第3四半期の見通しについて、「前回(2023年4月の決算発表時)に回復に備えていきたいと話したが、中身を見ると着実に上がっているものはあるものの、全体として不透明感が継続している」と説明。現時点では、本格的な回復は前回決算発表時の見立てより後ずれする見込みで、「当面は安全運転を継続していく」と方針を示した。
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