200mmファブの生産能力、2026年までに過去最高へ:自動車市場の成長に強い期待
SEMIは、全世界の200mmファブ生産能力が2026年までに月産770万枚規模となり、過去最高を更新するとの予測を発表した。
2026年までに月産770万枚規模へ、うち中国は月産170万枚に
SEMIは2023年9月19日(米国時間)、全世界の200mmファブ生産能力が2026年までに月産770万枚規模となり、過去最高を更新するとの予測を発表した。
最新の「SEMI 200mm Fab Outlook to 2026」レポートには、12の新規ファブを含め、336の研究開発と量産ファブのデータが収録されている。200mmファブ投資をけん引する主な原動力は、コンシューマや車載、産業用電子機器に搭載されるパワーおよび化合物半導体である。
中でも、電気自動車(EV)のパワートレイン用インバーターと充電ステーションに向けた半導体の需要拡大が、設備投資に弾みをつける。こうした動きに対し、Boschや富士電機、Infineon Technologies、三菱電機、onsemi、ローム、STMicroelectronics、Wolfspeedなどが、200mmファブの生産能力増強に乗り出している。
同レポートによれば、2023年から2026年までに200mmファブ生産能力は、車載およびパワー半導体向けで34%増加すると予測した。また、MPU/MCU向けが21%、MEMS向けが16%、アナログとファウンドリー向けがそれぞれ8%増加する見通しである。200mmファブの生産能力をプロセスノード別にみると、ほとんどが80〜350nmの範囲にあるという。このうち、80〜130nmプロセスにおける増加率が10%、131〜350nmプロセスにおける増加率は18%と予測した。
200mmファブ生産能力について、2023〜2026年における地域別の増加率もまとめた。最大となるのは東南アジアで32%と予測した。これに続くのは中国の22%。しかも中国は、2026年までに月産170万枚規模となる見通し。また、米州は14%、欧州および中東は11%、台湾は7%の増加率を見込む。
なお、2023年における200mmファブ生産能力の地域別シェアでは、中国が22%を占めている。日本は16%、台湾が15%、欧州および中東が14%、米州が14%と続く。
SEMIのプレジデント兼CEOを務めるAjit Manocha氏は、「世界の半導体産業が200mmファブの生産能力を過去最大にまで増強するということは、まさに自動車市場の成長に対する強い期待が浮き彫りとなった。車載半導体の供給は安定したが、EVに搭載される半導体の増加や充電時間の短縮努力が、生産能力拡大に拍車をかけている」とコメントした。
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