2030年代の勝負に挑む半導体人材の確保が急務、産学官の代表が連携強化を誓う:SEMICON Japan 2023(1/2 ページ)
「SEMICON Japan 2023」(2023年12月13〜15日/東京ビッグサイト)では、「半導体テクノロジーシンポジウム ALL Japanによる半導体人材」と題した講演が行われ、産学官からそれぞれ数名が登壇し、半導体産業の発展に向けた連携および人材確保/育成の重要性を語った。
「SEMICON Japan 2023」(2023年12月13〜15日/東京ビッグサイト)では、SEMIジャパンと東北大学が共同で「半導体テクノロジーシンポジウム ALL Japanによる半導体人材」と題した講演を実施した。講演では、産業界、大学/研究機関、官公庁からそれぞれ数名が登壇し、半導体産業発展に向けた産学官連携および人材確保/育成の重要性を語った。
講演の冒頭、SEMIジャパン代表取締役の浜島雅彦氏は「半導体分野は、各社/各国の飽くなき技術開発競争が源泉となって発展し、素晴らしい結果を出している。一方で、人材不足が業界全体での課題だ。今後は、技術面では競争しながらも、人材育成では協調しながら、1人でも多くの若者に興味を持ってもらえるように取り組んでいくことが大切だ」と強調した。
東北大学 総長の大野英男氏は「半導体は全ての基盤となる技術だ。国内半導体産業の復活/発展には、次世代半導体のプロフェッショナルであるグローバル人材の育成/確保が不可欠だ」と述べた。同氏は、グローバル人材の育成/確保に向けた取り組みの具体例として、G7広島サミット最終日(2023年5月21日)に米国と締結した「半導体の人材育成と研究開発に関する未来に向けた日米大学間パートナーシップ(UPWARDS for the Future)」覚書を挙げた。同覚書は、日米11大学と産業界が連携し、最先端半導体の研究開発を通して、技術革新を支えるためのものだ。
半導体分野の全体を俯瞰できる人材が必要
半導体業界で求められる人材育成について、東北大学 スピントロニクス学術連携研究教育センター 部門長 兼 国際集積エレクトロニクス研究開発センター(CIES:Center for Innovative Integrated Electronics Systems) センター長の遠藤哲郎氏は、「『半導体』と一言でいっても、非常に幅広い技術が存在する。専門性が高い人材の育成はもちろんだが、半導体分野の全体を俯瞰できる人材育成も重要だ。また、半導体分野は日々進化を続けている。次世代人材の育成のためには、学生だけでなく、教員や指導者側にも教育を提供することが重要だ」と強調した。
LSTC代表の五神真氏は「人材育成には時間がかかる。海外人材を含む、社会人/大学院生などの即戦力人材の確保と同時に、2030年代の勝負を担う優秀な人材を半導体関連分野に誘導する仕掛けを急ぐべきだ。そのためには、産学官が連携して、今から大学の学部生や低年次生にアプローチしていくことが重要だ」と語った。
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