欧中日30車種で採用されたSiCパワー半導体、基本半導体:ネプコン2024で展示
中国Shenzhen BASiC Semiconductorは、「第1回 パワーデバイス&モジュール EXPO」(2024年1月24〜26日/東京ビッグサイト)で出展し、同社が手掛ける車載向けSiC(炭化ケイ素)パワー半導体の製品群を展示した。
中国 Shenzhen BASiC Semiconductor(以下、基本半導体)は、「第38回ネプコンジャパン」(2024年1月24〜26日/東京ビッグサイト)の構成展として初めて開催された「第1回 パワーデバイス&モジュールEXPO」に出展し、車載/産業向けSiC(炭化ケイ素)パワー半導体の製品群を展示した。
SiC MOSFETを搭載した車載用HPDモジュール「Pcore6」(6チップ/8チップ並列)や車載用DCMモジュール「Pcore2」は、加圧銀焼結接合や高密度銅ボンディングワイヤ技術、窒化ケイ素系AMBセラミック基板、直接水冷式PinFin構造を採用しているため、高効率、高耐圧などを実現している。EV(電気自動車)向けインバーターに採用することで、EVの航続距離伸長につながる。
同様にSiC MOSFETを搭載した車載用TPAKモジュール「Pcore1」は、xEV(電動車)のインバーター向けに開発された高電流密度のシングルスイッチモジュールだ。加圧銀焼結接合や窒化ケイ素系AMBセラミック基板を採用していて、デバイスの総熱抵抗を低減する。その他、HPD三相フルブリッジSiC MOSFETドライバー「6CP0215T12-A11」や車載 SiC MOSFETモジュール「Pcell7」なども展示した。
今回展示したこれらの製品群は「中国を中心に、既に欧中日の30車種に搭載されている」(担当者)という。
基本半導体は、SiCパワーデバイスの材料製造からチップの設計/製造、パッケージング、テストまで、幅広い研究開発を行うパワー半導体メーカーだ。SiC関連の特許を200件以上取得していて、同社製品はEVや産業機器の他、新エネルギー、スマートグリッド、電鉄などの分野に幅広く採用されている。
同社の車載用SiCパワーモジュールの製造拠点(中国無錫市)は、ダイシングから焼結、溶接、組み立て、テストまで全プロセスをカバーしている。総面積は1万2000m2で、最大で年間500万台まで生産能力の拡張が可能だ。
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