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OLEDが「快進撃を継続」も、液晶は引き続き大幅赤字 JDI決算3Q累計の純利益は380億円の赤字(1/4 ページ)

ジャパンディスプレイ(JDI)の2023年度第3四半期(2023年10〜12月)連結決算は、売上高が前年同期比13%減の605億円、営業利益は同44億円増で62億円の赤字、純利益は同35億円減で93億円の赤字となった。

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 ジャパンディスプレイ(以下、JDI)は2024年2月9日、2024年3月期(2023年度)第3四半期(2023年10〜12月)連結決算を発表した。売上高は前年同期比13%減の605億円、営業利益は同44億円増で62億円の赤字、純利益は同35億円減で93億円の赤字となった。

2023年度第3四半期の業績概要[クリックで拡大]出所:ジャパンディスプレイ
2023年度第3四半期の業績概要[クリックで拡大]出所:ジャパンディスプレイ

 同社がコア事業と位置付ける車載およびスマートウォッチ/VR(仮想現実)など向けは堅調に推移したが、ノンコア事業であるスマホ向け液晶など戦略的縮小を進めたことなどによって減収となった。一方で、営業利益は固定費削減効果やスマートウォッチ向けOLED(有機ELディスプレイ)の黒字化などの製品ミックス改善によって大幅に改善した。ただ、純利益は前年同期に計上した特別利益の剥落や、LCDの関連資産で18億円の減損損失を計上したことが響き、赤字幅が拡大している。

スマートウォッチ向けOLEDが堅調

 売上高を事業別にみると、コア事業の車載およびスマートウォッチ/VRなど向けはいずれも堅調に推移した。車載向けは足元で不採算製品からの撤退を進めているものの、中長期的な成長トレンドにあることから前年同期比6.5%増の352億円となった。スマートウォッチ/VRなど向けでは、特にスマートウォッチ向けのOLEDの販売増が成長をけん引し、同15.1%増の165億円で着地した。

 一方、同社がノンコア事業として撤退を進めるスマートフォン向け液晶は、撤退方針に基づき戦略的に縮小していることから同60.6%減の88億円となっている。

 JDIのCFO(最高財務責任者)を務める坂口陽彦氏は、コア事業がいずれも前年同期比で増加している点について、「2023年度上期で膿を出し、下期以降でその効果を刈り取ると説明していた。少しずつだが、まさにその効果が現れている結果だ」と語った。

2023年度第3四半期の事業別の売上高前年同期比の営業利益増減要因 左=2023年度第3四半期の事業別の売上高/右=前年同期比の営業利益増減要因[クリックで拡大]出所:ジャパンディスプレイ

 営業利益の増減要因をみると、主にスマホ向け液晶の売り上げ減による数量減(−46億円)やエネルギー費の高騰(−3億円)があったものの、スマートウォッチ向けOLEDの成長がミックス改善として表れているほか(+38億円)、東浦工場の生産停止や茂原工場でのコスト削減などの固定費削減効果(+26億円)や為替の好影響(+5億円)、その他在庫影響など(+26億円)から営業損失を大幅に減少させている。

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