村田製作所、滋賀に研究開発拠点を新設へ 社内外連携を促進:2026年5月に完成予定
村田製作所は、滋賀県守山市に新たな研究開発拠点「守山イノベーションセンター」を設立する。開放的な設計にし、社内外の連携強化を目指す。投資金額は約460億円。完成は2026年5月を予定する。
村田製作所は2024年2月14日、滋賀県守山市に新たな研究開発拠点「守山イノベーションセンター」を設立すると発表した。2024年2月から工事に着手し、2026年5月の完成を予定している。投資金額は土地と建物を合わせて約460億円。地上18階建てで、延べ床面積は6万4850m2。1000〜1600人の就業を見込む。
社内交流スペースや社外との共同開発向けエリアを設置
守山イノベーションセンターは、既存/新規事業の基礎研究、企画、デザイン、設計の強化を目的としているという。具体的な対象事業や製品は検討中だ。
同施設の役割は単なる研究開発機能の拡充にとどまらず、社内外の連携を強化することだという。村田製作所の近隣事業所との連携強化や、社外との技術交流/共同開発の活性化を目指している。中高層階のオフィスと開発フロアは間仕切りを最小限にした開放的な設計にするほか、立体的な交流スペースを設けてコミュニケーションを活性化し、開発力の強化、イノベーションの創出を促す。
低層階には社外との技術交流や協働開発を行うエリアを設置する。さまざまなイベントに対応できる多目的ルームや柔軟に運用できるラボルームによって、技術や知見の融合を図るという。社外との連携強化を掲げている同社施設は他に、2020年12月に開業した「みなとみらいイノベーションセンター」(横浜市)がある。
環境への配慮としては、敷地内に地域住民に開放された緑地の整備を計画しているほか、太陽光発電や雨水利用といった省エネ/再エネ技術を導入する。地球環境に配慮した建物として、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)Sランクを目指す。
コンセプトの1つとして「地域との共生」を掲げ、子ども向け科学体験施設や、災害時に利用可能なスペースも設置するという。
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