化合物半導体基板市場、年平均17%成長で29年に33億ドル規模へ:パワー製品は25億ドル規模に(1/2 ページ)
市場調査会社のYole Groupによると、化合物半導体の基板市場は2023年から2029年までの間、年平均17%の成長が期待されている。2029年には33億米ドル規模の市場に成長する見込みだという。
フランスの市場調査会社Yole Group(以下、Yole)は2024年1月、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)、GaAs(ガリウムヒ素)およびInP(インジウムリン)などの化合物半導体の基板市場が、2023年から2029年までの間、年平均成長率(CAGR)17%で成長し、2029年には33億米ドル規模に成長する見込みだと発表した。同月発行した、化合物半導体市場に関する年次報告書の中で予測している。
用途別に見ると、2029年に市場で最も大きな割合を占めると予想されるのはパワー向けで、2029年までのCAGRは21%と大きく成長し、25億1900万米ドル規模となる見込みだ。続くRF向けは同6%で3億9100万米ドル、ディスプレイおよびLED向けは同7.9%で1億9200万米ドル、フォトニクス向けは同12.6%で1億8300万米ドルとそれぞれ堅調に成長を続けることを予想している。
現状を材料別に見ると、SiCは自動車市場の、特に800VのEV(電気自動車)システム向けで優位にある。GaNパワーデバイスは民生機器市場と自動車市場にも進出しているほか、Yoleのアナリストによると、特にスマートフォンのOVP(過電圧保護回路:Over Voltage Protection)向けでは10億ユニット規模の機会拡大が見込まれるという。また、RF GaNデバイスは防衛、電気通信、宇宙産業分野で存在感を示していて、ハイパワー用途に照準を合わせている。一方で、RF GaAsデバイスは5Gや車載コネクティビティ向けの開発が進んでいる。フォトニクス領域ではInPとGaAsが市場を主導している状態だ。
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