NTTら、400億円超の支援受け光電融合技術の開発加速へ:光チップレット実装技術などを研究(1/2 ページ)
NTTは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の実施企業に採択された。研究に際し400億円超の支援を受ける予定で、光電融合技術の開発とIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)事業の加速を目指す。
NTTは2024年1月30日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の実施企業に採択されたと発表した。研究に際し400億円超の支援を受ける予定で、光電融合技術の開発とIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)事業の加速を目指す。
IOWN構想はNTTが提唱する次世代ネットワーク/情報処理基盤の構想で、電気信号と光信号の回路を融合する光電融合技術の活用によって低消費電力化、大容量/高品質化、低遅延化を実現できるとしている。既にデータセンター間の接続に用いるトランシーバー内に光電融合デバイスが実装されていて、今後は小型化や低消費電力化を進めることでボード間やチップ間の接続に用いるほか、2032年度にはチップ内にも実装することを目指している。
研究テーマは「光チップレット実装技術」など3件
今回NEDOの研究開発事業としてNTTが採択された研究テーマは、「光チップレット実装技術」「光電融合インタフェースメモリモジュール技術」「確定遅延コンピューティング基盤技術」の3件だ。NTTはネットワーク領域とコンピューティング領域の両方で光電融合技術の研究開発を進めていて、今回採択されたものはコンピューティング領域に含まれる。
光チップレット実装技術は、光集積回路(PIC)と電子集積回路(EIC)を高密度パッケージング技術によりハイブリッド実装するというもので、パッケージ内光配線技術の開発につながる。この技術によって、新しいコンピューティングアーキテクチャである「ディスアグリゲーテッドコンピューティング」が実現するという。ディスアグリゲーテッドコンピューティングとは、複数のCPUやメモリなどを直接光で接続し、1つの大きなコンピュータとして扱う考え方だ。光の高速性や低消費電力性、低損失性を生かして、システム全体のリソースを削減することができるという。この研究開発にはNTTのほか、古河電気工業、NTTイノベーティブデバイス、NTTデバイステクノロジー、新光電気工業が参画する。
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