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「業界最小」の消費電力、ルネサスのローエンドマイコン「RA0」第1弾embedded world 2024(2/3 ページ)

ルネサス エレクトロニクスはドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2024」で、「業界最小クラス」(同社)の消費電力を実現したというローエンドマイコン「RA0」シリーズの第1弾製品である「RA0E1」グループを出展し、その詳細を紹介した。

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スタンバイモードからの復帰時間は競合比で約7分の1

 ソフトウェアスタンバイからのウェイクアップ時間が早い点も特長だ。高速オンチップオシレーター(HOCO)を用いることでウェイクアップ時間は1.6マイクロ秒と、競合比7分の1ほど時間で復帰可能だという。説明担当者は「ローエンドで低コストのアプリケーション、例えばガラス破壊や煙探知機のようなアプリケーションではスタンバイモードでの高速ウェイクアップは非常に重要になる。ここからもコスト重視のアプリケーションに適合するようにデバイスを最適化していると分かるだろう」と語っていた。

ソフトウェアスタンバイからの高速復帰について、競合との比較など[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス
ソフトウェアスタンバイからの高速復帰について、競合との比較など[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス

 この他、動作電圧が1.6〜5.5Vと広いことから、5Vシステムでのレベルシフターやレギュレーターが不要なほか、シリアル通信、アナログ機能、安全機能、HMI(ヒューマンマシンインタフェース)機能も搭載している。

 内蔵のHOCOは±1.0%と高精度で、「外部オシレーターを使用せずに通信のボーレート精度を維持可能となることから、さらなるBOM(部品表)コストの低減と実装面積の低減を図ることが可能」と説明。また、−40〜+105℃の環境下でも±1.0%の精度を維持できるため、リフロー工程後でも精度が保証され、それに伴い時間のかかる「トリミング(精度調整)」の工程を省くことも可能になるとしている。

 RA0E1は、動作の異常を診断できる安全機能として、IEC60730に準拠した自己診断ライブラリーも用意。セキュリティ面でも、真性乱数発生器(TRNG)やAES暗号化ライブラリーに対応している。パッケージは、3×3mmの16ピンQFNから7×7mmの32ピンQFPまでさまざまなラインアップを用意し、すでに量産を開始している。

25年には2種類、26年には最低3種類を追加へ

 なお、RA0シリーズは今後も拡充していく方針で、2025年には128Kバイト(KB)フラッシュ搭載の48〜68ピンおよび、タッチ機能対応の2種類を追加するほか、2026年には少なくとも3種類が登場する予定だという。

 今回、会場では実際にセンサーを取り付けたRA0E1搭載ボードを展示し、アクティブモードやスタンバイモードの消費電流をモニターに表示するデモを行っていた。

RA0E1搭載ボードのデモの様子アクティブモードで消費電流は2.76mAとなっている[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス
RA0E1搭載ボードのデモの様子アクティブモードで消費電流は2.76mAとなっている[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス

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