首位ソニーはシェア45%に拡大、2023年のCMOSイメージセンサー市場:Samsungら競合は停滞(1/2 ページ)
フランスの市場調査会社Yole Groupによると、2023年のCMOSイメージセンサー市場は、ソニーグループがシェアを45%に伸ばし、首位の座を維持したという。一方で、Samsung ElectronicsやSK hynixら競合のシェアは停滞/減少した。
フランスの市場調査会社Yole Group(以下、Yole)によると、2023年のCMOSイメージセンサー(CIS)市場において、ソニーグループ(以下、ソニー)はシェアを45%に拡大し、首位の座を維持。2位Samsung Electronics(以下、Samsung)ら競合との差を広げたという。
CIS市場は前年比微増で217億9000万米ドルに
Yoleは2024年7月3日(フランス時間)、CIS市場の調査結果を発表した。同調査によると、2023年のCIS市場は、スマートフォンなどの民生機器市場の低迷を受け前年比微減(212億9000万米ドル)となった2022年と比較し安定した販売数を維持。前年比微増の217億9000万米ドルとなったという。
Yoleは、「2023年のCIS市場は前年と比べ安定した販売数を維持し、売り上げは微増となった。これは市場の大幅な転換と平均販売価格(ASP)の上昇を反映している」とし、特に車載分野でのCISのASP上昇が顕著だったことなどを説明している。また、米中の貿易摩擦については、当初Huaweiへの制裁が主にソニーに影響し、OmniVision Technologies(以下、OmniVision)やGalaxyCoreといった中国メーカーに利益をもたらしたが、「市場の減速などの近年の傾向から、中国メーカーは車載や産業分野などのより高価値の市場に重点を移し、生産能力と技術への投資によってシェア拡大を目指している」と分析している。
車載、産業分野が力強く成長
Yoleの予測によると、CIS市場は2023年から2029年まで年平均成長率(CAGR)4.7%で成長を続け、2029年には286億米ドル規模にまで拡大する見込みだ。なお、CISの出荷台数は68億ユニットから86億ユニットに増加すると予測。CIS製品のASPは2022年に3米ドルを超え、今後も3米ドル以上で推移する見込みだという。
市場の成長率を分野別でみると、最大のモバイル/コンシューマー分野は、スマホの販売台数見通しは低迷しているものの、同期間のCAGRは3.6%と堅調に推移し、202億3600万米ドルとなる見込みだという。また、産業分野は工場の自動化や農業、交通監視における新たなマシンビジョンアプリケーションを原動力に、同9.5%と大きな成長を見せ40億8800万米ドルに達すると予測している。車載分野は自動車1台当たりのカメラ搭載台数の増加と高解像度センサーの採用を背景に同5.4%の成長を見せ、31億5500万米ドルにまで拡大する見込みだ。
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