AI活用 日本はシンガポールに後れを取るも支出は最大:インテルがAPACのAI成熟度を調査(1/2 ページ)
インテルは2024年6月、IDC Japanを通じて、アジア太平洋地域の8カ国/地域を対象に行ったAI(人工知能)利用の成熟度調査の結果を発表した。日本は、4段階評価で上から2番目となるステージ3「AIイノベーター」だった。さらに、今後はエッジAIの活用が増加し、2025年にはデータの75%がデータセンターやクラウド以外で生成されると予想した。
インテルは2024年6月、IT専門の調査会社IDC Japanを通じて、アジア太平洋地域の8カ国/地域を対象に行ったAI(人工知能)利用の成熟度調査「The State of AI Maturity」に関する記者説明会を開催した。
今回調査対象としたのは、オーストラリア、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、シンガポール、台湾。これらの地域におけるAI支出額は、2022年の255億米ドルからCAGR(年平均成長率)28.9%で成長し、2027年には907億米ドルに到達すると予想した。
日本国内におけるAI支出は、調査対象8カ国/地域の中で最大だった。特に、小売業と製造業がけん引していて、2028年には2兆5000億円超になる見込みだ。IDC Japan グループバイスプレジデント チーフリサーチアナリストの寄藤幸治氏は、「長期的なビジョンに基づいて、強固な経済的/社会的基盤の上でAIに対しての投資を行っていて、今後日本がAIイノベーションをリードする可能性もある」と語った。
主な成長要因について、寄藤氏は「これまでは、コスト削減や業務効率化、リスク低減など、企業内部にフォーカスしたAI活用が主流だった。しかし、今後は、新製品/サービスの開発や新たな収入源の創出など、外部にフォーカスした活用に移行することで、AI活用の幅が広がっていく」と説明した。
それに伴い、情報処理時のレイテンシを減らすべくエッジでのAI処理が増加すると予想している。2025年にはデータの75%がデータセンターやクラウド以外で生成される見込みだ。また、アジア太平洋地域の企業の75%がエッジAIへの投資を増加させ、50%の企業が全IT支出のうち16%をエッジAI投資に回すと予測している。
インテル 社長の大野誠氏は、調査結果について納得の意を示した上で「今後はエッジが主流になっていくと予想している。クラウドとエッジを合わせたハイブリッドAIがこれからの世界を創っていくだろう」とコメントした。
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