5G人口カバー率は29年に80%超に、北米とインドが先行:AI搭載機器が成長を加速(1/2 ページ)
2024年6月に発行された最新の「エリクソンモビリティレポート」によると、2029年には、5G(第5世代移動通信)モバイル加入契約数は56億件を超え、5G人口カバー率(中国本土を除く)は80%を超える見込みだ。
Ericssonは2024年6月、世界の移動通信市場のトレンドに関する調査報告書「エリクソンモビリティレポート」最新版を公開した。日本法人であるエリクソン・ジャパン(以下、エリクソン)は2024年7月25日、都内で記者説明会を開催し、エリクソン CTO(最高技術責任者)の鹿島毅氏がレポートの概要について説明した。2029年には、世界の5G(第5世代移動通信)モバイル加入契約数は56億件に到達し、中国を除く5G人口カバー率は80%を超える見込みだ。
同レポートによると、世界の5Gモバイル加入契約数は、2024年第1四半期(1〜3月)に約1億6000万件増え、合計で約17億件となった。2024年には合計で約6億件増加する見込みだ。地域別に見ると、北米では2029年末までにモバイル加入契約数全体の90%(4億3000万件)が5Gになると予想する。インドでは、2023年末は5Gがモバイル加入契約数全体の10%(1億1900万件)だったが、2029年末には約65%(8億4000万件)まで増加すると予想している。
北米地域のテクノロジー(無線方式)別のモバイル加入契約数は、3G(第3世代移動通信)の契約が減少、4G(第4世代移動通信)/LTEから5Gへの移行が進んでいて、2024年には59%が5G契約になる見込みだ。エリクソンは、その後も5Gへの移行は継続し、2029年にはモバイル加入契約の大半が5Gになると予測している。
5Gミッドバンドのカバレッジ(中国を除く)は、2023年末で40%だった。地域別では、北米とインドが進んでいて、それぞれの5Gミッドバンドカバレッジは85%、90%となった。一方で、中南米や中東・アフリカ地域では10%にとどまるなど、5Gミッドバンドカバレッジでは地域間で大きなばらつきが見られた。
今後の5Gモバイル加入契約数の成長要因について、鹿島氏は、「AI搭載デバイスの登場が新しいユーザー行動を喚起する可能性がある。また、ネットワークスライシングへの対応やRedCap(Reduced Capability)の普及、100米ドル以下のデバイスに対応したスタンドアローン(SA)デバイスの導入などが成長要因になるだろう」とコメントした。
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