数百万円で導入できる! 簡易放射イミュニティ試験機:電波暗室を使わずに(1/2 ページ)
ノイズ研究所は、「TECHNO-FRONTIER 2024」(2024年7月24〜26日、東京ビッグサイト)に出展し、電波暗室が不要な簡易放射イミュニティ試験システムや、持ち運びできる静電気試験機を展示した。
ノイズ研究所は、「TECHNO-FRONTIER 2024」(2024年7月24〜26日、東京ビッグサイト)に出展し、電波暗室が不要な簡易放射イミュニティ試験システムを展示した。
同システムは、3種類のアンテナと小型パワーアンプ、信号発生器で構成される。近接試験用の小型パワーアンプおよび信号発生器と組み合わせ、試験距離や試験レベルを設定するだけで、IEC 61000-4-3やISO 11452-9などの放射イミュニティ試験(プリテスト)が可能だ。選択できる試験距離は100/200/300/400mmで、電界強度は10V/mなどを想定している。
アンテナは、380MHz以上の試験を行う「TEMホーンアンテナ」、380MHzまでの試験を行う「小型バイコニカルアンテナ」、より近い距離で試験を行える手持ち型の「広域スリーブアンテナ」の3種類を用意する。
通常、放射イミュニティ試験には電波暗室を用いるが、電波暗室は数が限られているため稼働率が高く、試験実施までの待ち時間が長期化する場合がある。また、仮に電波暗室での試験で不具合が見つかった場合、電波暗室に空きができるまで再度待機しなければならない。さらに、電波暗室は数千万〜1億円規模のコストがかかるので、簡単には増設できない。
同社担当者は、簡易放射イミュニティ試験システムについて「電波暗室を使った本番試験で一発OKするためのプレ試験としての活用を想定している。本番前に不具合を発見できるため、電波暗室の稼働率を下げることができる。また、顧客側が既に導入している設備次第ではあるが、数百万円で導入できるため、電波暗室を新設するより大幅に導入コストを削減できる」と語った。
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