世界メモリ市場、2025年に過去最高の2200億ドル超に 生成AIがけん引:29年までCAGR16%で成長へ(1/2 ページ)
フランスの市場調査会社Yole Groupは、世界半導体メモリ市場が、2025年に2200億米ドルを超え過去最高を更新すると予想している。生成AI(人工知能)アプリケーション需要などがけん引役になるという。
フランスの市場調査会社Yole Group(以下、Yole)によると、世界半導体メモリ市場は、生成AI(人工知能)アプリケーション需要などにけん引され、2025年には2200億米ドルを超え過去最高を更新する見込みだという。同市場は2023年から2029年まで年平均成長率(CAGR)16%で成長し、2029年には2340億米ドルにまで拡大すると予測されている。
2024年、2025年ともに大きく成長へ
Yoleによると、2023年、厳しい不況下にあったメモリ市場の市場規模は960億米ドルとなった。内訳をみると全体の54%を占めるDRAMが521億米ドル(うち54億米ドルはHBM[高帯域幅メモリ])、41%を占めるNAND型フラッシュメモリ(以下、NANDフラッシュ)が393億米ドルとなっていた。
メモリ市場は2024年に回復が予測されているが、Yoleは、「現在、従来予想よりも早い回復軌道に乗っている。今後数年の収益予想は急激な増加を示している」と説明。具体的には、まず2024年、DRAMは前年比88%増の980億米ドル、NANDフラッシュは同74%増の680億米ドルとそれぞれ急増する見込みで、さらにその後も両市場は上昇傾向を維持。2025年にはDRAMが同36.7%増の1340億米ドル、NANDフラッシュも同36.7%増の930億米ドルに拡大し過去最高を更新する見込みだとしている。DRAMとNANDフラッシュは、2023年から2029年までそれぞれCAGR17%、16%で成長を続けていくことが予測されている。
Yoleはこの成長を支える要因として、生成AIの急速な台頭をあげている。同社によると生成AIの採用が急増したことによって、データセンター市場における高速DDR5 DRAMおよびHBMの需要が拡大。AIサーバ用のエンタープライズSSDの需要も急増したとしている。また、大容量のメモリ/ストレージを必要とする生成AI搭載スマートフォンやPCの登場によって「モバイル/コンシューマー市場でのビット需要のさらなる成長が促進されるだろう」とも説明している。
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