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Intelの現状から学ぶべきこと大山聡の業界スコープ(79)(2/3 ページ)

2024年8月1日、Intelの2024年第2四半期(4〜6月)決算が発表された。このところのIntelの決算からは、かつて半導体業界の王者として君臨していたころの勢いが感じられない。そこでIntelの現状を分析しながら、いろいろなことを学び取っていく。

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大きな問題を抱えるファウンドリー事業

 図3は、Intelの営業利益の構成をグラフ化したものである。「Client Computing」はPC向けで、Intelの営業利益の中心になっていることが分かる。「DataCenter and AI」は黒字を計上しているものの、その貢献度は低い。売上高が減少傾向にあるため、収益面でも課題を抱えているのが現状だろう。しかし最大の問題は「Intel Foundry Services」の大赤字である。2024年第1四半期から開示されるようになったわけだが、その赤字幅の大きさに業界としては驚きを禁じ得なかった。この赤字を何とかしないと、Intelの収益改善はおぼつかないだろう。


図3:Intelの四半期別営業利益構成[クリックで拡大] 出典:Intel決算資料よりGrossberg作成

 Intelは、2024年第3四半期(7〜9月)の売上高を130億米ドル前後と見込んでいるが、これは第1、第2四半期とほぼ同レベルということで、赤字決算となるのは必須である。今回の決算で、Intelはさまざまなリストラ計画を発表している。だが、現行のビジネスモデルを大きく変えるつもりはなく、プロセッサ事業も頑張る、ファウンドリー事業も頑張ると、あくまでも「IDM2.0」へのこだわりを強調している。恐らく、2024年度通期で見ても赤字からの脱却は困難だろう。ここからは、Intelの抱えている課題について考察してみたい。

データセンター向けでの「Intelの一人負け」

 まずPC向けの戦略については、特に大きな問題は見られない。内部では何らかの課題があるかもしれないが、シェアを落とすこともなく、安定した収益を稼いでいる。今後市場として伸びることはあまり期待できないが、消滅する心配もないので、この分野については現状のままで問題ないだろう。

 データセンター向けは、すでに述べた通り「Intelの一人負け」状態なので、改善が必要だろう。市場ではAIサーバ向けにGPUの需要が伸びており、ここは「NVIDIAの一人勝ち」状態だが、x86プロセッサを搭載した通常のサーバ需要も堅調に伸びている。この分野でIntelは高いシェアを誇っているが、昨今では戦略プロセッサのリリースが遅れるなど、Intel自身が内部に問題を抱えており、競合のAMDにシェアを奪われているのが現状である。開発リソースが不足しているのか、組織構造的な問題なのか、内情は分からないが、Intel自身は自社の問題を正確に把握しているはずである。今後の動向を見守るしかない。

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