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「超垂直な」メモリホールを高速加工 1000層NANDの実現に向けLam Researchの第3世代「Cryo」(2/2 ページ)

Lam Researchは、1000層を超える3D(3次元) NANDフラッシュメモリの加工に向け、極低温絶縁膜エッチング技術の最新世代「Cryo 3.0」を発表した。100:1という高いアスペクト比のメモリホールを、極めて垂直に高速で加工できるという。

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ΔCDは9nm 垂直な穴を高速に加工

 新たにリリースしたCryo 3.0では、最大10μmの深さで加工できることに加え、エッチング速度は常温プロセスに比べて2.5倍になる。メモリホール最上部のCDが108nm、最下部のCDは99nmで、両者の差(ΔCD)は9nmと極めて小さいことも特徴だ。常温プロセス適用時では、ΔCDは30nm程度だという。つまり、アスペクト比が高い穴を“真っすぐに”加工できるということだ。「Cryo 3.0ではアスペクト比100:1の穴を、極めて垂直かつ高速に加工できるようになる」(西澤氏)

「Cryo 3.0」の主な特徴Cryoで加工した場合のProfile deviationの比較 左=「Cryo 3.0」の主な特徴/右=Cryoで加工した場合のProfile deviation(ΔCDをメモリホール深さで割った値)の比較。Cryo 3.0は従来世代に比べて、垂直に加工できるようになっている[クリックで拡大] 出所:Lam Research

 さらに、Cryo 3.0では新しい成分のエッチングガスを採用したことで、従来の常温エッチングプロセスと比較してウエハー1枚当たりの電力消費量を40%削減し、CO2排出量も最大90%削減するという。

 Cryo 3.0に対応するチャンバーとして「Vantex Cシリーズ」をリリース済みだ。Cryo 1.0に対応する「Flex Hシリーズ」やCryo 2.0に対応する「Vantex Bシリーズ」など既存のチャンバーにもCryo 3.0を適用できる。

 現在、Cryo 3.0は量産に向けた技術評価を行っている段階だ。「ビットコストを下げる手段には複数存在するが、高アスペクト比の穴をいかに垂直に加工できるかという点は、ビットコスト低減において最も象徴的な技術の一つではないか」(西澤氏)

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