TDKが車載用コンデンサーを開発 MLCCを横に3つ並べて大容量化:静電容量1.5倍に(1/3 ページ)
TDKは2024年9月10日、積層セラミックコンデンサー(MLCC)2〜3個を金属端子で接合した金属端子付き多連型メガキャップ「CA」シリーズで、車載向けの新製品を開発したと発表した。従来は縦に重ねていたMLCCを横に並べる新構造を採用。「業界最大」(同社)という3連化を実現し、静電容量を従来比最大1.5倍にした。
TDKは2024年9月10日、積層セラミックコンデンサー(MLCC)2〜3個を金属端子で接合した金属端子付き多連型メガキャップ「CA」シリーズで、車載向けの新製品を開発したと発表した。
従来は縦に重ねていたMLCCを横に並べる新構造を採用。「業界最大」(同社)という3連化を実現し、静電容量を従来比最大1.5倍にした。金属端子材料の最適化によって、低抵抗も実現。大電流対応、大容量化の要求が高まる車載用途などでの展開を目指す。
縦積みから、横に並べる構造に変更し課題解決
下図が新製品および従来品の製品ラインアップだ。新製品では、金属端子で接合した「金属端子付きMLCC」(TDKは「メガキャップ」と呼称)でMLCCを3連化した構造を設計し、最大で従来比1.5倍の静電容量を実現した。Class1(温度補償用)では1000Vで99nF、Class2(高誘電率系)では100Vで47μFなど、幅広いラインアップをそろえる。AEC-Q200にも対応している。
TDKはMLCCを2〜3個を金属端子で接合した金属端子付きMLCCについて、車載グレード品としては従来、MLCCを縦に重ねた構造のCKGシリーズを展開してきた。ただ、車載用途で大容量化が求められる中、MLCCを縦に重ねる構造は、製品高さや重心が上がることによって振動によるリスクが大きくなるほか、電流経路が長くなることによってESRやESL上昇するなどの課題があり、MLCCを増やすことで静電容量を増加する対応は難しかったという。CKGシリーズの最大MLCC数は2個までだった。
今回、TDKはMLCCを横に並べる新構造を採用したことでこの課題を解決。MLCCの数を増やしても重心が上がったり、電流経路が長くなることはなくなり、静電容量数アップが実現できるようになった。また、一般的な電解コンデンサーと比較しても、製品高さを抑えながら容量アップが可能だとしてる。なお、MLCCは3個以上を並べる構造も技術的可能といい、顧客の需要を見ながら対応を検討していくという。
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