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半導体市場は25年初めから回復へ 小口販売で設計者を支援するマウザー:倉庫拡張/自動化も(2/2 ページ)
Mouser Electronicsは、半導体市場の市況や同社の取り組みについての説明会を開催した。縮小している半導体市場は2025年初めごろから回復を始め、下半期にはさらに回復が加速する見込みだという。
倉庫を大幅に拡張 自動化設備も導入
市場回復やシェア拡大の見込みから、マウザーでは本社敷地内の倉庫の拡張を行っている。倉庫面積は5万7000m2から9万39032に拡大したという。
倉庫内の設備にも大規模な投資を行い、拡張と自動化を進める。垂直方向に在庫を貯蔵できるバーティカルリフトモジュールは、3階建ての建物ほどの高さがあるという。OPEXパーフェクトピックシステムでは、自動保管/検索システムを活用し、異種製品をまとめて出荷できる。荷受けや配置、製品移動、梱包には自動化システムのEuroSortを導入し、効率を高めている。
マウザーの今後の戦略としては、産業用オートメーション領域に焦点を当てる計画だという。「新倉庫が稼働してスペースに余裕が生まれたため、少し大きな製品も取り扱える」(Hess氏)との考えからだ。まず北米の市場を開拓し、アジア地域には郵送コストを考慮して小型の製品から展開するという。
Hess氏は「ローカルの顧客の声をしっかり聞き、各地で何ができるか理解していく。設計者向けのツールや最新情報も提供を続ける」と語った。
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