半導体装置業界は「新興プレイヤーにもチャンス」 ニッチ需要が鍵:SEMIジャパン 浜島雅彦氏(1/2 ページ)
2024年12月11〜13日に開催される「SEMICON Japan 2024」。主催のSEMIジャパンで代表取締役を務める浜島雅彦氏に、注目ポイントや半導体業界の動向について聞いた。
半導体製造技術/装置/材料からアプリケーションまでをカバーするエレクトロニクス製造の国際展示会「SEMICON Japan 2024」が、2024年12月11〜13日、東京ビッグサイトで開催される。前回の「SEMICON Japan 2023」には過去最大の8万5000人以上が来場したが、今回はそれをさらに上回る規模での開催を予定しているという。
主催のSEMIジャパンで代表取締役を務める浜島雅彦氏に、SEMICON Japan 2024の注目ポイントや半導体業界の動向について聞いた。
後工程が「市民権」を得た1年 好評の「APCS」はことしも開催
――SEMICON Japan 2024の注目ポイントを教えてください。
浜島雅彦氏 今回、次世代の半導体設計と検証分野にフォーカスする「ADIS(Advanced Design Innovation Summit/アディス)」を初開催する。あらゆるモノづくりにおいて欠かせない設計/検証分野の認知度を高めて重要性を知ってもらいたい。半導体業界に興味のある学生でも設計分野の存在を知っている人は少ないので、いい機会になるのではないか。
パッケージングや基板実装など、半導体製造の後工程にフォーカスした「APCS(Advanced Packging and Chiplet Summit)」は3回目の開催だ。過去2回はとても好評で、今ではAPCSがあることを理由にSEMICON Japanに出展してくれる企業もいる。
――半導体後工程はこの1年でますます注目度が高まっていますね。
浜島氏 前工程の微細化が限界に近づいてきて、後工程の重要性が多くの人にとって当たり前になったことで、後工程が「市民権」を得たと感じている。今は後工程にも人材や資金が多く投入され、競争の場が大いに広がってきている。
半導体製造装置業界は投資金額が大きいので、参入障壁は依然として高いが、後工程の盛り上がりによって新しいプレイヤーにもチャンスが生まれると考えている。3D(3次元)実装やチップレットなど新しい技術が生まれると、そこに新しい課題やニーズも生まれるからだ。大手装置メーカーでなくてもニッチな部分で新しいニーズに対応できれば、そこからチャンスが広がってくるだろう。
後工程で特に注目しているテーマは標準化だ。どこまで標準化し、どこからは各社の差別化/競争の領域にするかという境目を決めるのが難しく、標準化にはまだ時間がかかるとみている。標準化できるところはできるだけ標準化することで、競争領域に各社がリソースを投入できるようにしたい。理事を務める「半導体後工程自動化・標準化技術研究組合(SATAS)」でも、グローバルな標準を定められるよう働きかけている。
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