半導体/実装関連部材および装置、30年に約18兆円市場へ:AIや自動車の電動化などがけん引
富士キメラ総研は、半導体/実装関連部材および装置の世界市場を調査し、2030年までの予測を発表した。AIや電動車、データ高速処理などへの対応もあって需要の拡大が続く。予測によれば市場規模は2024年見込みの13兆323億円から、2030年には18兆4984億円にまで拡大する見通しだ。
2024年はスマホ向けなどが回復、前年比11.6%の増加を見込む
富士キメラ総研は2024年12月、半導体/実装関連部材および装置の世界市場を調査し、2030年までの予測を発表した。AI(人工知能)や電動車、データ高速処理などへの対応もあって需要の拡大が続く。予測によれば、予測によれば市場規模は2024年見込みの13兆323億円から、2030年には18兆4984億円にまで拡大する見通しだ。
今回の調査は、半導体パッケージ3品目のほか、半導体後工程関連材料7品目、プリント配線板4品目、基板関連材料13品目、放熱関連材料7品目、実装関連装置4品目および、アプリケーション4品目を対象とした。調査期間は2024年8〜10月だ。
2024年の半導体/実装関連部材および装置市場は、スマートフォンやPCなどの需要回復に伴い増加する品目も増え、2023年に比べ11.6%の増加を見込む。半導体関連市場は、応用機器の需要回復が遅く、2022年レベルまで回復するのは2025〜2026年になると予測した。こうした中で、AIサーバを中心にアドバンスドパッケージ関連が伸びており、関連する部材は好調に推移する。
主なカテゴリー別にみると、「後工程関連材料」は、FO-WLP/PLPやFI-WLP向け再配線材料の需要が回復しつつある。今後は、インターポーザー向けやモールドアンダーフィル、1次実装用アンダーフィルなどの需要拡大が期待される。
「プリント配線板」は、AIサーバ向けなどにリジットプリント配線板(高多層)やFC-BGA基板の伸びが期待される。例えば、FC-BGA基板市場は2024年見込みの1兆310億円に対し、2030年は2兆1199億円になると予測した。2025年以降は汎用サーバの需要回復やAIサーバの需要増加で、単価の高いサーバ向けやAIアクセラレーターチップに向けて、サイズが大きく高層品が伸長するとみている。
「放熱関連材料」は、車載電池向けを中心に放熱ギャップフィラーの市場規模が大きく、今後も市場をけん引すると予測した。特に、はんだ代替接合材として用いられるシンタリングペーストは、2024年見込みの約227億円に対し、2030年は約514億円と予測されている。2025年から2027年にかけて日系自動車メーカーで加圧タイプの採用が始まるとみられる。
「基板関連」ではサーバ向けCPUやAIアクセラレーターチップにおいて、パッケージサイズの大型化が進む。低反りのほか低誘電特性で高速伝送を可能とする600mm角インターポーザーやガラスコアの開発が進む。
「実装関連装置」の需要は、汎用半導体や電子部品関連向けが2025年まで低調に推移すると判断した。これに対し、アドバンスドパッケージ向けハイエンド(高機能)装置の需要は今後も増える見通し。汎用基板向け装置は車載や通信機器に向けた基板関連メーカーが東南アジアで工場を新設していて、新たな需要が期待できるという。
各部品/材料/装置は、欧州や中国でEV市場の停滞などもあって、2024年は「自動車関連」で伸び率が鈍化した。しかし、2025年には需要が回復すると予測している。「民生機器関連」は、AI対応機器の開発により、2025年下期以降には需要が増加する見通し。「AIサーバ関連製品」は、2023年より大幅伸長している。新たな設備投資などにより、部材/装置も伸びが期待されている。
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