急転直下で破綻したeFabless 原因はオープンソース「ただ乗り」問題か:大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/3 ページ)
2025年3月2日、eFablessが突然、事業閉鎖を発表した。同年1月にはCEOが意気揚々と年頭所感を述べたばかりだった。一体何があったのか。eFablessの歩みをたどりながら、事業閉鎖に至った原因を探ってみたい。
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今月のお題は、微妙に2月からはみ出しているというか、LinkedInでアナウンスがあったのが2025年3月2日の事で、ただし3月2日は日曜という事を考えると実質的に破綻が決まったのは2月28日(金)だろうという事でご紹介したいと思う。
「順調」アピール、わずか1カ月半後に事業閉鎖へ
eFablessはLinkedInに、同社CEOであるMike Wishart氏のメッセージとして、同社が資金ショートにより事業を停止せざるを得ず、既に全スタッフを解雇。現在は事業閉鎖に向けた作業を行っている事を公開した。2024年10月には米国EETimesで、「chipIgnite ML」という新しい取り組みを始めたニュースが紹介され、また2024年のDAC会場インタビューでは17:36あたりからそのWishart氏へのインタビューも行われている。ことし(2025年)1月にはそのWishart氏が年頭のあいさつも兼ねて"A Year of Achievements and a Bright Future for Efabless"というBlog entryを投稿。既に50以上の学術機関が同社を利用し、80個のコマーシャル向け製品がTape out。また2024年にスタートしたChipaloozaというアナログ/ミックスドシグナルのデザインチャレンジで15種類のアナログIP(Intellectual Property)が提供され、さらにchipIgnite MLには1600人ものメンバーが参加したことなどに触れつつ、今後も同様の取り組みを続けてゆく事をアピールしたばかりである。そこからわずか1カ月半後に、Series B roundが成功せずに資金がショートするとは夢にも思わなかったのだろう。
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