欧州では「業界の再構築が必要」、通信業界リーダーら:Mobile World Congress 2025(1/3 ページ)
2025年3月にスペイン バルセロナで開催された世界最大級のモバイル技術展示会「Mobile World 」では、通信業界のリーダーたちが結集してコネクティビティの未来について議論し、同分野の課題やチャンスを明らかにした。
2025年3月3〜6日(スペイン時間)にスペイン・バルセロナで開催された世界最大級のモバイル技術展示会「Mobile World Congress 2025(MWC25)」では、集まった通信業界のリーダーたちがコネクティビティの未来について議論し、同分野の課題やチャンスを明らかにした。包括的なテーマとして掲げられたのは「AIの発展を推進し、規制上の障壁を切り抜けながら、特に欧州において成長とイノベーションを加速させる上では大きなリセットが必要である」ということだった。
MWCのオープニング基調講演「The Gateway to a New Future(新しい未来へのゲートウェイ)」において登壇者たちが強調したのは、「インフラ需要が増大しているにもかかわらず収益が低迷しているという課題に対して、5G AdvancedやAI、オープンネットワークゲートウェイ(Open Network Gateway)などの新技術から生まれるチャンスを十分に活用するためには、イノベーションと適応、協業が必要である」という点だ。
巨額投資も収益伸びず
GSMA 事務局長のMats Granryd氏はセッションの中で「モバイルネットワークオペレーター(MNO)は、インフラにより多くの資金を投じる必要があるが、その収益は増加していない。調査によると、われわれの業界は現在、モバイルインターネットコネクティビティをけん引するインフラ全体の85%に投資していることが明らかになった。それに伴い収益も増加するように思われるかもしれないが、残念なことにそうなってはいない。悲惨な結末を招くような設備投資を停止するか、収益を増やし始める必要がある」と述べている。
Granryd氏は、業界の議題を下記4つにまとめ、未来の発展のための重要な分野について強調した。
- 5G SA(スタンドアロン)の実装に注力し、5G実現への道を完成させること。Granryd氏は「企業がこれを実現できれば、2030年までに4兆7000億米ドルの世界経済効果をもたらす可能性がある」としている。
- 新しい機会を模索し、収益拡大を促進していくこと。
- Open GatewayやAIなどを活用して新たな市場を切り開くこと。Granryd氏は「生成AIは世界経済に5兆米ドル、通信業界には年間当たり1000億米ドルのプラス効果をもたらす可能性がある」と指摘する。
- 持続的イノベーションと成長を確実に実現すべく、周波数帯の未来計画を立てること。Granryd氏は「周波数帯は経済成長をけん引する高速ネットワークと優れたカバレッジに不可欠で、われわれにとって酸素のようなものだ。業界は周波数帯に過去10年間で5000億米ドルを投じている」と強調する。
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