「カシオミニ」など名機40台でたどる進化の軌跡 カシオ電卓60年記念展:ゲームや着火ライター付きのユニーク電卓も(1/3 ページ)
カシオ計算機(以下、カシオ)の電卓事業が、2025年で立ち上げから60周年を迎える。カシオは60周年記念の取り組みについての説明会を実施し、「カシオ電卓隠れ名作展」と称して、これまでに発売した電卓のうち約40モデルを展示した。
カシオ計算機(以下、カシオ)の電卓事業が、2025年で立ち上げから60周年を迎える。カシオは同年3月12日、カシオは60周年記念の取り組みについての説明会を実施し、会場には「カシオ電卓隠れ名作展」と称して、これまでに発売した電卓のうち約40モデルを展示した。なお、この展示は2025年3月25日〜6月27日の間、樫尾俊雄発明記念館(東京都世田谷区)で一般公開されていて、予約のうえ見学可能だ。
18年で17kgから12gに 「軽薄短小」を極める道のり
展示品からは、電卓の歴史が感じられる。現在に続く電卓事業の始まりとなったのは、カシオ初の電卓「001」(1965年発売、38万円)だ。数を記憶するメモリ機能を「世界で初めて」(カシオ)搭載したほか、よく使う数字をダイヤルで記憶できる定数記憶機能も備えていた。インタフェースは現在の電卓と似ていて、テンキー方式/シングルディスプレイを採用している。金属製で、重さは17kgあった。
その後、液晶や半導体の進化によって電卓の小型化/軽量化が進んで登場したのが「世界初」(カシオ)のパーソナル電卓「カシオミニ」(1972年発売、発売時価格1万2800円)だ。当時の標準的な電卓と比べてサイズは4分の1以下、価格は3分の1以下で、発売後10カ月で100万台を販売する大ヒットだったという。カシオミニの登場によって、電卓はオフィスだけでなく一般家庭にも活躍の場を広げた。
カシオミニに続いて「軽薄短小」の方向性を極めた電卓としては、カード型電卓「SL-800」(1983年発売、5900円)がある。幅は85mm、奥行きは54mmで、厚さは0.8mm。重さは12gだ。カシオ計算機 教育関数BU 事業部長の佐藤智昭氏は「これ以上薄くすると手に持つだけでも割れてしまう、限界点まで来た製品だ」と説明した。
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