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ファウンドリー事業への野心燃やすIntel 鍵は「18A」少数でも「超大手」の顧客(2/4 ページ)

IntelのCEOにLip-Bu Tan氏が就任して初めてとなる四半期決算が行われた。決算は当初の予想を上回る結果だったが、Intelが直面する深刻な状況に変わりはない。改善の鍵の一つとなるのがファウンドリー事業だ。

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大規模なリストラで「官僚主義」を排除する

 こうした財務上の逆風を背景に、Intelは大規模なリストラに着手しており、20%を超える人員削減を示唆する報道もある。

 このような動きは、2万1000人を超える従業員に影響を及ぼす可能性があるが、大幅なコスト最適化と業務効率向上の実現を直接目指すものであり、「2025年に100億米ドルのコストを削減する」というIntelの目標に基づいている。

 今回の人員削減は、特にエンジニアリング部門を中心として経営層の合理化を図り、同社の中核となる製品開発に焦点を絞っていくことを目標とする。アナリストはこれについて「痛みを伴うものではあるが、コストの高さや意思決定の遅さといった長引く問題に対応する上で必要なステップだ」とみている。

 Lip-Bu Tan氏は、Intelの従業員に向け「多くのチームに8つ以上の階層が存在するために、不必要な官僚主義が発生し、われわれの動きを鈍化させている。私はエグゼクティブチームに対し、『階層を排除して、管理の範囲を広げ、優れたパフォーマーたちに権限を与えることを重要視し、各組織を新たな視点から見直してほしい』と要請した」とする通知を出している。

 また同氏は「私は『最高のリーダーは、ほとんどの成果を最小限の人員数で達成する』という哲学を大いに信じている」と主張する。

 しかし、従業員の士気やイノベーション能力などに影響が及ぶ可能性が懸念される。今回報じられた人員削減は、前回2024年8月に行われた15%の人員削減に次ぐものとなる。

 Intelの長期的戦略の中心となるのが、「IDM 2. 0」計画だ。これは、従来の統合型デバイスメーカーモデルから、半導体受託製造サービス(ファウンドリー)の大手グローバルプロバイダーになるという抜本的な変革である。

 その中には、自社チップの設計や製造、販売などが含まれるが、重要なのは、潜在的な競合メーカーも含めた外部顧客向けの半導体製造も行うという点だ。Intelはこのような方向転換の一環として、半導体設計と製造業務の分離を進めており、Intel Foundry Services(IFS)を独立事業体へと進化させる動きを加速させている。

 さらにこうした分離は、未来のファウンドリー顧客との間で信頼関係を構築することを目指すもので、将来的にはスピンオフへの道を開く可能性もある。IntelはIFSを「AI時代に向けた世界初のシステムファウンドリー」として位置付け、高度な製造や高成長のAI市場への注力を強調している。

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