大判化で好調のソニー半導体、2年連続で過去最高更新へ:全体も過去最高を更新(1/2 ページ)
ソニーグループのイメージング&センシングソリューション(I&SS)分野の2024年度通期業績は、売上高が前年度比12%増の1兆7990億円、営業利益が同35%増の2611億円で、ともに過去最高を更新した。
ソニーグループ(以下、ソニー)は2025年5月14日、2025年3月期(2024年度)通期(2024年4月〜2025年3月)の連結業績を発表した。イメージング&センシングソリューション(I&SS)分野の売上高は前年度比12%増の1兆7990億円、営業利益は同35%増の2611億円で、ともに過去最高を更新した。
25年度モデルのデザインウィンも順調
為替の好影響の他、モバイル機器向けセンサーで製品ミックスの改善および販売数量の増加があったことが増収の要因だ。営業利益の増加は、製造経費の増加があったものの、為替の好影響や増収効果、そしてモバイル機器向けイメージセンサー新製品の生産歩留まり改善などが貢献した。2024年度第4四半期もモバイル機器向けイメージセンサーの顧客需要は顕著に推移し、2025年度モデルへのデザインウィンも順調に進んでいるという。
I&SS分野の2025年度の通期見通しは売上高が前年度比9%増の1兆9600億円、営業利益が同7%増の2800億円と過去最高をさらに更新すると予想。ソニーのCFO(最高財務責任者)である陶琳氏は「2025年度はモバイルセンサー大判化の進展によって、前年度から円高が進行する想定下にあっても、売り上げ、利益の成長を期待している」と説明した。
グループでも過去最高を更新
金融事業を除くグループの2024年度通期業績をみると、I&SS分野の他、ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野および音楽分野での増収から、売上高は前年度比7%増の12兆439億円、営業利益は同23%増の1兆2766億円とそれぞれ過去最高を更新。純利益も同19%増の1兆674億円となった。
金融事業を除くグループの2025年度通期予想は、米国政府による相互関税政策の影響反映前のベースで、売上高が前年度比3%減の11兆7000億円、営業利益が同8%増の1兆3800億円とした。関税影響の反映後は、営業利益は前年度比から横ばいの1兆2800億円、純利益は同13%減の9300億円と予想する。
関税の影響
ソニーは「米国追加関税を巡る状況は日々変化し、先行きも不透明」としつつ、現時点で影響が見込まれるG&NS、ET&S、I&SSの3分野において、既に実施されている追加関税への対応をとるとともに、今後想定される複数のシナリオへの対策の検討を進めていると説明。米国内での戦略在庫の積み上げやグローバルでの製品出荷アロケーションの調整、市場動向を踏まえた一定の価格転換などによって、既に正式に発表されている関税率(2025年5月12日に発表された米国による中国への追加関税率引き下げについては未反映)をもとに試算した結果、2025年度の金融事業を除くグループの営業利益へのマイナス影響を1000億円程度と見積もった。内訳は3つの分野がほぼ同じ割合だ。なお、I&SS分野の影響は、最終製品の需要減を一定程度見込んだものだという。
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