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まるでボタン、でも平ら リアルさを追求する京セラのハプティクス技術シグマのカメラにも採用(1/3 ページ)

京セラは、独自の触覚伝達(ハプティクス)技術「HAPTIVITY」の開発に注力している。HAPTIVITYは押圧をトリガーに触感を発生させる技術で、反応速度の速さや物理ボタンのようなリアルな触感が特徴だ。2025年4月にはシグマのカメラの操作部に採用されたことを発表している。HAPTIVITYの利点や活用例、今後の展望などを開発担当者に聞いた。

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 京セラは、独自の触覚伝達(ハプティクス)技術「HAPTIVITY」の開発に注力している。HAPTIVITYは押圧をトリガーに触感を発生させる技術で、反応速度の速さや物理ボタンのようなリアルな触感が特徴だ。2025年4月にはシグマのカメラの操作部に採用されたことを発表している。HAPTIVITYの利点や活用例、今後の展望などを開発担当者に聞いた。

京セラのハプティクス技術「HAPTIVITY」のデモ機
京セラのハプティクス技術「HAPTIVITY」のデモ機[クリックで拡大]

多彩な触感を再現 ボタンのようなクリック感も

 HAPTIVITYの仕組みは、圧電セラミック素子を用いて押圧検知と振動による触覚フィードバックを行うというものだ。

 振動による触覚フィードバックの方法は、他にスマートフォンなどに用いられる偏心モーターや、ゲーム機のコントローラーなどに用いられるリニアアクチュエーターなどがあるが、これらで実現するのは単なる振動であり、ボタンなどを押したかのようなリアルな触感を再現することは難しい。

 対して圧電セラミック素子を用いる方法では、周波数が自在に調整でき、さまざまな触感を再現できるほか、応答性にも優れている。特にボタンを押したような触感は偏心モーターやリニアアクチュエーターの周波数では再現が難しく、圧電セラミック素子ならではだという。

 圧電素子のハプティクス技術を開発している企業は他にもあるが、中でも京セラのHAPTIVITYは低電圧駆動なので昇圧せずに使えるほか、パワーが大きい。また、小型/薄型なのも特徴だ。厚さは約2.5mmなので、フラットな面にボタンがあるかのような設計も可能だ。

 さらに、HAPTIVITYは押すときと離すときのそれぞれに振動があるのも特徴だ。これによって、物理ボタンを押し込んだり離したりしているかのようなリアルな感覚が得られる。

 下図のデモ機は、「HARD」「SOFT」など複数のモードを搭載している。実際に触ってみると、それぞれシャープな押し心地や柔らかい押し心地を感じられた。

さまざまな触感を再現したデモ機
さまざまな触感を再現したデモ機[クリックで拡大]

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