この記事は、2025年9月8日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。
※この記事は、「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」をお申し込みになると無料で閲覧できます。
半導体設計を「鎖の一番弱い輪」にしてはならない
半導体設計に詳しい、ある大学教授と、日本の半導体設計力に関してお話する機会がありました。同教授は、日本では半導体の設計力がないがしろにされているのではないかという強い懸念を抱いています。特に、難易度が高い先端半導体の設計をよく分かっている技術者は、日本にはほんの一握りしかいないと推定され、日本が国を挙げて半導体産業の再興に取り組む中、いずれここがボトルネックになるのではと危惧されていました。
飛ぶ鳥を落とす勢いで成長しているNVIDIAや、盤石の地位を維持しているArm、反対に苦境からなかなか脱することができないIntelなどを見ても、強いIP(Intellectual Property)や強い設計力を持つことが、半導体の世界で勝負し続けるために、いかに重要かというのはよく分かります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「光る樹木」が街灯代わりに 究極の省エネに期待したい
いつか実現してほしい……!半導体メーカーに直接会えば、話が早いかもしれないのに
開発しやすい産業構造に変化していくことも大切だと思います。半導体開発「日本は本当に人が足りない」 オフショア活用も視野に
製品設計/開発のアウトソースサービスを手掛けるクエスト・グローバル・ジャパンは都内で記者説明会を開催。日本の半導体開発では「必要な人材が足りていない」と語った。背景には、半導体設計がますます高度化、複雑化していることや、海外企業と英語で交渉する必要が増えていることなどがある。あと5年で中国が半導体生産能力トップに 米国は先端ノード強化
複数の市場調査によると、今後10年以内に、米国が高性能半導体チップの生産能力を約1.3倍に増強する一方、中国は成熟ノードの能力を拡大し、世界ファウンドリー市場シェアでトップになる見込みだという。