「過去10年間で信頼を失ってきた」Intelから離れたAlteraが目指す道:Altera CEO Raghib Hussain氏(1/2 ページ)
AlteraのCEOであるRaghib Hussain氏は、2025年5月に現職に就任して以来初となるメディアインタビューに応じ、独立したFPGAメーカーとなった同社の戦略的優先事項について語った。
AlteraのCEOであるRaghib Hussain氏は、2025年5月に現職に就任して以来初となるメディアインタビューに応じ、独立したFPGAメーカーとなった同社の戦略的優先事項について語った。
Hussain氏は米国EE Timesのインタビューに対し「当社は、徹底的に実行に集中する必要がある。Alteraは過去10年間で、卓越性や品質、計画などの面で信頼を失ってきた。私には実行の面で多くの実績があり、私が率いるチームもそれに対応してきた経験を持っているが、当社がそれを実現できると証明するにはまだ少し時間がかかるだろう」と述べている。
Alteraの株式は、プライベートエクイティ企業であるSilver Lakeが過半数(51%)を保有し、残りの49%をIntelが保有している。Hussain氏は「Silver Lakeが株式の過半数を取得したことで、AlteraはIntelから完全に独立し、自社を完全に管理できるようになった。このような管理レベルによって、われわれはFPGA事業に完全に集中できるようになったのだ」と述べている。
TSMCでもIFSでも「最適なファウンドリーを自由に選べる」
また同氏は「Intelの株式保有比率は49%で、受動的(パッシブ)な立場となるため、同社が共同所有者としてAlteraに影響力を行使することはない。とはいっても、Intelは重要な顧客であり、ファウンドリーパートナーでもある(AlteraのファウンドリーパートナーはTSMCとIntel Foundry Services(IFS))」と述べる。
「われわれは独立によって、どのファウンドリーでも選べるという完全な自由を手に入れた。今後は、利用可能な最新のプロセスノードと、どのファウンドリーが最適かということに基づいて決断を下すことになるだろう」(Hussain氏)
Hussain氏は「Silver Lakeは、われわれの現状を十分に理解してくれている。同社は、直ちに現金化するつもりはない。FPGAがサイクルの長い事業であることや、5年以上は粘り強く取り組まなければならないことなどを理解してくれている」と述べる。
また同氏は「Silver Lakeは、Broadcomへの投資を現時点で20年間にわたり継続している。またDellへの投資は10年以上に及ぶほか、NXP Semiconductorsにも長期投資を行っている」と指摘する。
独立したAlteraの優先事項
Hussain氏は、独立したAlteraの優先事項として、一部の重要な戦略的決定を再び管理下に置くことを挙げている。「Intelの傘下にあったAlteraは、主に電気通信/データセンター市場に注力し、ファウンドリーにはIFSを利用し、FPGAよりもCPUを販売しようとする統合型の営業チームに依存せざるを得なかった。独立したAlteraは今後、このような決断を自ら管理できるようになるのだ」と述べる。
「まず第一に、われわれは顧客中心主義を復活させる。製品ロードマップに関しては、組み込みや航空宇宙/防衛、オーディオ/ビデオなどの他、ロボティクスやドローン、エッジAIなどの新興市場も含む、より幅広いFPGA市場に合致するものを提供していきたい」(Hussain氏)
FPGAは、AIのような進化するアルゴリズムを加速させる上で柔軟性を提供し、グルーロジック(他のチップ間を移動するデータを再設定/再構築する)でも広く使われている。
またHussain氏は「FPGAは、少量生産でASIC設計をサポートできないようなアプリケーションでも使用でき、シリコン設計のコストが上昇する中でますます重要性が高まっている」と述べる。
「Alteraには、十分に確立されたブランドをはじめ、300社のエコシステムパートナーや、優れた人材、信頼できる顧客基盤などがある。われわれは集中して実行し、FPGA分野でナンバーワンになるための道に向かって確実に成長していけばよいだけだ」(Hussain氏)
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