村田製作所、25年Q2は過去最高の売上高に AI需要でMLCC好調:通期業績も上方修正(1/2 ページ)
村田製作所は2025年10月31日、2025年度第2四半期(7月〜9月)および上期(4月〜9月)の決算発表会を開催した。第2四半期の売上高は前四半期比で16.9%増の4866億円、営業利益は同68%増の1035億円で、四半期としては過去最高の売上高を記録した。こういった動きを受けて、2025年度通期業績予想を上方修正した。
村田製作所は2025年10月31日、2025年度第2四半期(7月〜9月)および上期(4月〜9月)の決算発表会を開催した。第2四半期の売上高は前四半期比で16.9%増の4866億円、営業利益は同68%増の1035億円で、四半期としては過去最高の売上高を記録した。
2025年度上期で見ると、売上高は前年同期比2.2%増の9028億円、営業利益は同4.4%増の1651億円、税引前中間利益は同6.6%増の1748億円、親会社の所有者に帰属する中間利益は同1.6%増の1324億円だった。
2025年度上期のセグメント別の売上高は、コンデンサーが前年同期比9%増の4549億円、インダクター/EMIフィルターが同9.6%増の1107億円、高周波/通信が同10.2%減の2027億円、エナジー/パワーが同10.5%減の749億円、機能デバイスが同6.1%増の522億円、その他が同12.9%増の74億円だった。
用途別の売上高で見ると、通信が前年同期比5.1%減の3285億円、モビリティが同3.1%増の2345億円、コンピュータが同20.1%増の1459億円、家電が同2.7%減の734億円、産業/その他が同6.9%増の1204億円になった。
データセンター需要で成長 課題は「MLCC依存」
上期を振り返ると、高周波モジュールや樹脂多層基板がスマートフォン向けで減少するも、積層セラミックコンデンサー(MLCC)がサーバ、代理店向けで増加。米ドル為替相場の変動も受けて、増収を達成したという。製品価格の値下がりや固定費増加の一方、操業度の回復やコストダウンなどの要因によって増益できたとした。
代表取締役社長の中島規巨氏は「データセンターという好調な産業エリアがあり、そこに当社のMLCCを中心とした部品群がちょうどフィットしたことで、想定を上回る勢いで成長している。その一方、MLCCへの依存は課題として依然残っているため、高周波部品や電池、電源などのビジネスを拡大していくことが必要だと考えている」とする。
スマートフォン向け高周波モジュール、樹脂多層基板の売上高の減少については「2024年度の第4四半期にまとまった受注があり、その反動を受けた形だ。米国の関税に対する懸念から、早めに発注が行われた結果だと思われるので、下期以降は通常に戻ると考えている」(中島氏)と語った。
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