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AI半導体市場の「アキレス腱」 成長を脅かす電力不足:大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/3 ページ)
異様なまでの成長が予測されているAI半導体市場。だが現在、特にトレーニングの分野では、電力消費という深刻な問題に直面している。これは“AIバブル”の崩壊を招く引き金になり得る大きなリスク要因ではないか。
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AI関係で大口契約ラッシュ
10月のニュースと言えば、AI向けの大口契約が大量に発表された事だろうか。
- OpenAIが、トータル6GW分のAMD GPUを複数年で調達する。最初の1GW分は2026年後半から導入開始予定。ちなみに9月末にはNVIDIAと最大1000億米ドル相当の契約も締結済み
- Google CloudとAnthropicがパートナーシップ契約を拡大。最大100万個のGoogle TPUをAnthropicが利用可能に
- OracleとAMDがパートナー契約を更新。手始めに2026年第3四半期より5万個の「Instinct MI450」がOCI(Oracle Cloud Infrastructure)に導入され、2027年にはさらに規模を拡大する
- AMDはORNL(Oak Ridge National Laboratory)にソブリンAI向けのインフラとなるDiscoveryとLuxという2つのAIスーパーコンピュータを導入する事でDOE(米エネルギー省)と契約を締結。総額は10億米ドル規模
- NVIDIAはORNLに国家安全保障・科学研究・エネルギー分野向けのSolsticeとEquinoxという2つのAIスーパーコンピュータを導入する事でDOEと契約を締結
などが主なところである。個別の契約がどうこうという話は措いておくとして、ここでピックアップしたのは大口契約のみであり、もっと金額の小さな契約はそれこそ多数存在する。こうした動き、10月は大口契約がいろいろ発表されたので特に目立った感はあるが、その前後というかことし(2025年)初頭からさまざまな形で投資が増えている事もあり、なのでマーケット全体としてAI向けの投資は今後も増えてゆく、と見なされている。
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