ソフトバンクGのAmpere買収が完了 Armの設計力を補完:総額65億米ドルで
ソフトバンクグループが、Armベースのサーバ向け半導体設計を手掛ける米国Ampere Computing Holdingsの買収を完了した。同じく子会社であるArmの設計力を補完し「Armベースのチップの開発およびテープアウトで実績を持つAmpereの専門知識を統合することが可能になる」としている。
ソフトバンクグループ(以下、ソフトバンクG)は2025年11月25日(米国時間)、Armベースのサーバ向け半導体設計を手掛ける米国Ampere Computing Holdings(以下、Ampere)の買収が完了したと発表した。
Ampereは、2017年9月、Intelの元社長であるRenee J. James氏が創業した企業で、次世代クラウドコンピューティングやAIワークロード向けに特化した高性能でエネルギー効率に優れたArmベースのプロセッサの設計を手掛けている。Ampereの創業以降の事業の流れは、下記記事でまとめている。
ソフトバンクGは2025年3月、同社子会社であるSilver Bands 6を通じAmpereを総額65億米ドルで買収すると発表。2025年後半に買収完了を見込むとしていた。今回この予定通り同年11月25日(米国時間)付でAmpereの全持分の取得を完了し、同社を完全子会社化したことを発表した。ソフトバンクGは「連結業績への影響は現在精査中で、開示すべき事項が発生した場合には速やかに知らせる」としている。
Ampereは今後、ソフトバンクGのグループ企業、投資先、取引先を含む広範なエコシステムと連携していく見込みだ。ソフトバンクGは今回の買収によって、同じくソフトバンクG子会社のArm Holdings(以下、Arm)の設計力を補完し「Armベースのチップの開発およびテープアウトで実績を持つAmpereの専門知識を統合することが可能になる」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Intelに救いの手か ソフトバンクが20億ドル出資へ
ソフトバンクグループは、Intelに20億米ドルを出資し、同社の普通株式を取得する契約を締結したことを発表した。両社が米国における先端技術および半導体イノベーションへの投資を一層強化しているなかで行われるものであると説明している。
ソフトバンクが買収したAmpereの「流転の生涯」をたどる
ソフトバンクグループが買収を発表した米Ampere Computing。Intelの元社長であるRenee James氏がCEOを務める同社は、紆余曲折を経て生き延びてきた企業でもある。同社の生い立ちからこれまでを、製品とともにたどってみたい。
今度はAmpereに食指が動いたソフトバンク
ソフトバンクグループのAI半導体に対する動きは、ちょっと楽しみです。
ソフトバンクGがAI半導体設計のAmpereを65億ドルで買収へ
ソフトバンクグループが同社子会社であるSilver Bands 6を通じ、Armベースのサーバ向け半導体設計を手掛ける米国Ampere Computing Holdingsを買収する。買収総額は総額65億米ドル(約9730億円)で、2025年後半の買収完了を見込む。
AI処理で「GPUの代替」を アライアンスが拡大
米Ampere Computing主導で約1年前に設立された「AI Platform Alliance(AIPA)」。半導体メーカーだけでなく、クラウドMPS(マネージドサービスプロバイダー)やシステムサプライヤー/インテグレーターなどが加わり、AIPAの規模が着実に大きくなっている。AIPAの目的は、AI処理で「GPUに代わるソリューション」を提供することだ。
AIの消費電力、学習よりも推論がはるかに大きな課題
Ampere Computingは、昨今急速に普及している生成AIでは、学習よりも推論の消費電力が大きな課題になると指摘した。「推論のスケールアウトの問題は、確実に破壊的な影響をもたらすだろう」と同氏は懸念を示している。
