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GF、ファウンドリー買収でシリコンフォトニクス事業を強化30年に10億ドルを目指す(1/2 ページ)

GlobalFoundriesがシンガポールのシリコンフォトニクス専業ファウンドリーの買収を発表した。今回の買収によって2026年の売上高は7500万米ドル以上増加し、2030年までに同社のシリコンフォトニクス事業の年間売上高が10億米ドルを超える見込みだという。

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 GlobalFoundries(GF)は2025年11月18日(米国時間)、シンガポールに拠点を置くシリコンフォトニクスファウンドリーAdvanced Micro Foundry(AMF)の買収を発表した。GFは「今回の買収によって、当社は世界最大のシリコンフォトニクス専業ファウンドリーになる」としている。GFによると、買収によって2026年の売上高は7500万米ドル以上増加し、2030年までに同社のシリコンフォトニクス事業の年間売上高が10億米ドルを超える見込みだという。

データセンターからエッジのフィジカルAIまで「不可欠の技術」

 GFは今回の買収額については明かしていない。同社はAMFの製造資産や、広範なIP(Intellectual Property)、優れた人材などによってGFのシリコンフォトニクス技術/市場が大きく拡大すると期待しているという。同社は正式発表において「AMFが15年以上にわたって培ってきた製造関連の専門知識を活用する。シンガポールにあるAMFの200mmプラットフォームをベースに、長距離光通信やコンピューティング、LiDAR、センシングなどの分野の需要に対応していく」と述べている。また、市場ニーズの拡大に伴って300mmウエハープロセスへと拡張する計画もあり「AIデータセンターや通信、次世代アプリケーション向けに信頼性のある世界供給を確保していく考えだ」としている。

 GFは米国ニューヨーク州におけるシリコンフォトニクスの生産能力の拡大を継続すると同時に、今回の買収によってシンガポール拠点の事業も加速していく見込みだ。また、シンガポールの主要な公的部門の研究開発機関A*STAR(Agency for Science, Technology and Research)との協業によって、同国内にシリコンフォトニクスの中核的研究開発拠点を設立する計画も立てている。GFは400Gビット/秒という超高速データ伝送速度を実現する次世代材料に注力することで、同社のイノベーションロードマップを推進していく方針だ。

 AMFは、独自技術プラットフォームによってサポートされた、製造やプロトタイピング、テストサービスなどのあらゆる分野に対応するシリコンフォトニクスの専業ファウンドリーだ。同社によると、CMOS互換プロセスと実績ある200mm製造ラインを活用することで、高い歩留まりとコスト効率を実現するフォトニック集積回路を提供できるという。

 AMFは、同社のプロトタイピングサービスに関しては、SOI(Silicon-On-Insulator)やSiN-on-SOIなどの複数のプラットフォーム上で、プロトタイピングサービスとMPW(Multi Project Wafer)シャトルを提供するとしている。また、ウエハーレベルのパッケージングソリューションも提供するという。

 GFのCEOであるTim Breen氏は、2025年11月18日のLinkedInの投稿で「今回の買収は、当社がシリコンフォトニクス分野で10年間にわたって取り組んできた戦略と完璧に合致している。シリコンフォトニクスは今や、クラウドデータセンターからエッジのフィジカルAIシステムに至るまで、データ駆動型の世界をサポートする上で、不可欠な技術だ」と述べている。

 Breen氏は発表の中で「GFはAMF買収によって、プラガブルトランシーバーやCo-packaged Optics(CPO)向けに、拡張/差別化された10年間ロードマップを提供すると同時に、自動車や量子コンピューティングなどの隣接市場にもフォトニクスの成長を加速させていく」と述べている。

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