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26年以降「自律型AIの時代」が到来 日本の現在地はインフラ整備運用は専門家主導からAI主導に(1/2 ページ)

AMDの日本法人である日本AMDは、技術イベント「AMD Advancing AI 2025 Japan」を開催。IT専門の調査会社であるIDCで国内ITインフラ市場の調査を担当している宝出幸久氏が基調講演に登壇し、AIのビジネス利用の変化とそこで求められるITインフラについて語った。

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 AMDの日本法人である日本AMDは2025年12月3日、技術イベント「AMD Advancing AI 2025 Japan」を開催。IT専門の調査会社であるIDCで国内ITインフラ市場の調査を担当しているInfrastructure & Devices, Research リサーチマネージャーの宝出幸久氏が基調講演に登壇し、AIのビジネス利用の変化とそこで求められるITインフラについて語った。

2026年以降、AIが自律的に問題を解決するように

IDC 宝出幸久氏
IDC 宝出幸久氏

 ビジネスにおけるAIの利用方法は、2024年前半ごろはチャット形式の「AIアシスタント」から洞察や推奨を得て、あくまで人間が行動するというものだった。2024年後半ごろからは「AIエージェント」が特定のタスクを独立して処理できる共同ワーカーとなり、人間はワークフローの設計や調整だけを担う場面も出てきた。IDCは2026年上半期以降、人間がビジネスデザインを行い、それに基づいて複数のAIエージェントが協力して複雑な問題を自律的に解決する「エージェンティックAI」の時代が到来すると予測している。

 宝出氏は「AIアシスタントの時代は、行動するのはあくまで人間という『Humans "In" the loop』の構造だった。それが、エージェンティックAIの時代では『Humans "On" the loop』の構造になる」と説明。「あらゆるタスクを人間が行う必要がなくなり、仕事のやり方も変わっていく」と分析した。

AIアシスタントからエージェンティックAIへの進化
AIアシスタントからエージェンティックAIへの進化[クリックで拡大] 出所:IDC

 当然、経済的なインパクトも大きい。2027年までにグローバルの大手企業2000社でエージェント利用は10倍に増加し、トークンやAPIコールの負荷は1000倍に達するという。そのため、エージェントの評価やオーケストレーション、最適化は重要な課題となる。

2027年以降はAI活用ビジネスも大規模化

 AIを活用したビジネスも、数年間で急激に変化した。2023〜2024年は生成AIプロジェクトが急増したが、まだ実験フェーズにあったといえる。宝出氏は「プロジェクトをローンチできたのが6割程度、そのうち成功したのは1割未満とかなり少数だった。AIの精度が不十分だったほか、使用されたデータも限られていた」と振り返る。

 2025年から2026年は、こうした課題を克服し、AI活用のための戦略や働き方、テクノロジーを整備していく導入フェーズになる。そして、ビジネスが大規模に展開されてAI活用が拡大/加速していくのは2027年以降だ。

AI活用ビジネスの進化
AI活用ビジネスの進化[クリックで拡大] 出所:IDC

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