産学官連携のAll GaN Vehicle、課題は「車載に耐えうる縦型GaN」:電力損失15%低減可能【訂正あり】
環境省は「SEMICON Japan 2025」に出展し、GaNデバイスを用いたEV「All GaN Vehicle」など、産学官連携による、GaNの技術開発の早期社会実装の支援事業を紹介した。
環境省は「SEMICON Japan 2025」(2025年12月17〜19日、東京ビッグサイト)に出展し、窒素ガリウム(GaN)デバイスを用いた電気自動車(EV)「All GaN Vehicle」など、GaNによるカーボンニュートラルを目指す産学官連携事業を紹介した。
GaN駆動で電力損失を15%低減可能
環境省では、2050年までに温室効果ガス(GHG)排出量実質ゼロを達成すべく、最先端技術の開発実証、社会実装の取り組みを推進する。その一環として、GaNの技術開発の早期社会実装を支援している。
All GaN Vehicleは、インバーターなど動力部にGaNを用いたEVの開発プロジェクトだ。大阪大学や名古屋大学、パナソニック、豊田合成、デンソーなどが参画していて、インバーターのスイッチ素子をシリコン(Si)からGaNデバイスに置き換えた場合、電力損失を約15%低減できるという。
ブースでは、自然との調和をコンセプトにデザインしたという新型車両「A La Nature」と、開発中の縦型GaNを搭載した3レベルインバーターを展示していた。
【訂正】初出時、開発中のGaN 3レベルインバーターの写真説明に一部誤りがありました。おわびして訂正いたします[編集部/2026年1月9日午前11時00分]
プロジェクト担当者は「自動車を駆動するには、より出力の大きい縦型GaNを使う必要がある。しかし現状だと、縦型GaNは動かすことで壊れたり、特性が劣化する。車載に耐えうる縦型GaNの実装が今後の課題だ」と語っていた。
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