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AI需要で好調も 村田製作所社長が語る「MLCC依存」脱却の一手「他社に負けない」新たな成長事業とは(1/3 ページ)

AIデータセンター向け需要の拡大を背景に、2025年度第2四半期(7〜9月)には四半期業績として過去最高となる売上高4866億円を記録した村田製作所。主力の積層セラミックコンデンサー(MLCC)を巡る市場環境や今後の成長戦略、M&Aの方針やAI活用について、社長の中島規巨氏に聞いた。

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 AIデータセンター向け需要の拡大を背景に、2025年度第2四半期(7〜9月)には四半期業績として過去最高となる売上高4866億円を記録した村田製作所。

 村田製作所社長の中島規巨氏は、複数のメディアによる合同インタビューで、主力の積層セラミックコンデンサー(MLCC)を巡る市場環境や今後の成長戦略、M&Aの方針やAI活用について語った。

村田製作所 社長 中島規巨氏
村田製作所 社長 中島規巨氏[クリックで拡大]

AI需要で好調 SDVのハードウェアリッチ志向も追い風に

――村田製作所の業績や市況の見通しをお聞かせください。

中島規巨氏 2025年度通期では増収減益と予想している。売上高は1兆8000億円となる見込みだ。減益には米Resonant買収時ののれん全額にあたる438億円の減損が大きく影響している。

 市場全体を見ると、現在エレクトロニクス産業を引っ張っているのはやはりAIサーバ/データセンター投資だ。これが大きな拡大サイクルに入っていて、少なくとも今後3年は継続するだろう。

 そうした中で村田製作所に求められる製品とは、まずは最先端で製造難易度の高いMLCCだ。NVIDIAやBroadcomが開発するGPUやTPU(Tensor Processing Unit)は、世代が進むごとにトランジスタの集積度が上がって、周辺のMLCCの容量もより大きいものが求められるので、小型かつ大容量のMLCCが非常に重要になる。

 電源モジュールも求められるようになるだろう。効率的な電源供給のためには、いかにGPUやTPUの近くに配置するかが鍵になる。そのため、村田製作所が通信モジュールで培ってきた小型/薄型化の技術がそのまま生かせる機会が増えている。

 AI以外の市場に話を移すと、2025年度のスマートフォンの生産台数は2024年度比で微増だ。しかし、メモリの供給に関する問題がいろいろなところで発生しているので、その影響で今後、ローエンドからミドルエンドで少し数量が減る可能性はある。

 自動車市場は、電気自動車(EV)のトレンドが少し鈍化している。一方で、中国では電動化が進んでいて、自動運転技術も急激に発展している。まだレベル2やレベル2プラスがメインだが、ソフトウェア定義型自動車(SDV)への移行が進む中で、将来のアップデートに備え、あらかじめ高性能の部品を搭載するケースが増えている。こうした「ハードウェアリッチ」のトレンドは村田製作所にとってはありがたいことだ。例えば位置検知などに用いる慣性センサーは、どこよりも非常に精度が高い製品を作っている自信がある。レベル2では過剰ともいえる精度だが、今後を見越して既に多く採用されている。こうしたトレンドは自動車だけでなく家電製品などでもみられる。

――2026年度、主力のMLCCの需給はどうなりそうですか。

中島氏 現時点で顧客から聞いている需要予測をうのみにするならば、AI関連の需要が大きく、かなりタイトな供給状況になりそうだ。ただ、顧客側が少し大きめに予測を出している可能性もある。あるいはメモリなどの他の部品が不足したり、電力などのインフラ整備が間に合わなかったりして、サーバやデータセンターを現時点で予測しているほどは作れない可能性もある。2026年度の予算を決定するまでに、本当に必要な数量を精査していく。増産に向けた設備投資は今後も行う考えだ。

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