Micron、256GBの大容量LRDRAM SOCAMM2をサンプル出荷:データセンターの省エネに効く
Micron Technologyは2026年3月、データセンター向けに256GB(ギガバイト)のLPDRAM SOCAMM2のサンプル出荷を開始した。1γ(ガンマ)世代のプロセスを適用した32Gb(ギガビット) LPDDR5Xダイを採用することで、容量が従来の1.3倍に増加した他、標準的なRDIMMに比べて消費電力と実装面積を3分の1に削減できる。
Micron Technology(以下、Micron)は2026年3月3日(米国時間)、データセンターインフラ向けとなる256GB(ギガバイト)の大容量LP(Low Power)DRAM SOCAMM2(Small Outline Compression Attached Memory Module)のサンプル出荷を顧客向けに開始したと発表した。
MicronのSOCAMMは、NVIDIAのAIプラットフォーム「NVIDIA GB300 Blackwell Ultra」をサポートするために、MicronがNVIDIAと共同開発したモジュール型のLPDDR5Xメモリソリューションである。SOCAMM2は、SOCAMMの機能拡張モデル(第2世代品)で、2025年10月には容量192GBのLPDRAM SOCAMM2のサンプル出荷を開始したばかりだった。
今回サンプル出荷を開始した256GB品は、1γ(ガンマ)世代のプロセスを適用した新開発のモノリシック32Gb(ギガビット) LPDDR5Xダイを「業界で初めて」(Micron)採用。容量を、192GBの1.3倍となる256GBまで拡張した。これにより、8チャンネル構成のサーバCPUにおいて最大2TB(テラバイト)のLPDRAMを搭載できる。192GB品では最大1.5TBだった。より大きなコンテキストウィンドウに対応し、より複雑な推論を実行することが可能になる。さらに、標準的なRDIMMに比べ、実装面積と消費電力を約3分の1に削減できるので、ラック密度の向上にもつながる。
TTFT(Time to First Token:モデルが入力を受け取ってから最初の出力トークンが返ってくるまでの時間)も短縮できる。KV(Key Value)キャッシュのオフロードに256GB品を使用した場合、192GB品に比べ、長文コンテキストの推論におけるTTFTが2.3倍高速化するという。
256GB LPDRAM SOCAMM2はサンプル出荷後、顧客の評価を経て、2026年後半には市場投入を開始する見込みになっている。
Micronでクラウドメモリ製品部門 バイスプレジデント兼ゼネラル・マネージャーを務めるPraveen Vaidyanathan氏は2026年3月5日に台湾や日本のメディア向けの説明会で「MoE(Mixture of Experts)、マルチモーダルAI、エージェントAIという3つのトレンドにより、低消費電力が特徴のLPDRAMの重要性は、データセンターにおいてますます高まっている」と強調した。
なお、2025年2月、Samsung ElectronicsがLPDDR6Xの初期サンプルをQualcommに提供したと報じられた。これについてVaidyanathan氏は「Micronはテクノロジーカンパニーとして、技術および製品においてリーダーシップを発揮することに注力している。われわれの1γ世代のプロセスや広帯域メモリ(HBM)、LPDRAMといった製品は、イノベーションをけん引し続ける。現時点でLPDDR6/LPDDR6Xについてコメントすることはないが、業界や顧客にとって重要なソリューションを開発することに集中する」と述べるにとどめた。
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